ゆく年くる年 14'→15'

今年はなんとか個人誌としてまとまったものを一冊作りたかったのですが、できずに終わってしまい、そのせいもあって「書けなかった」という思いがとても強い一年でした。
そのかわりアンソロジーにはいろいろ参加させていただき、それはとても楽しかったし、貴重な機会でした。書かせてくださって、ほんとうにありがとうございました。

来年も春から幾つか企画を予定していて、既に動き始めているのでよろしくお願いいたします。
自分がこれから何を・どう書きたいのか、迷ってばかりですが、とにかく目の前のことを一生懸命やっていこうと思います……

さて、去年に引き続き今年もここで一年間のまとめです。
この年越し記事の設問はもともとアンケート企画でして、質問バトン的に回したりしてみなさまからの回答を募っていたものです。よろしければぜひ、みなさまもそれぞれにご自分の一年間を振り返ってみてください。
よいお年をお迎えください!


・2014年のこの一冊! という本を教えて下さい。(2014年発行でなくとも構いません。コミック可)

(タイトル・著者名)
『ここは退屈迎えに来て』山内マリコ

(コメント)
バンドに心が向いていたせいか、今年はほんとにぜんぜん本を読みませんでした……
そんななか楽しく読めた数少ない小説がこれです。ロードサイド、ファスト風土を舞台にした女の子たちの連作短篇集で、あらゆる意味で「いま」だなあと感じた一冊。


・2014年のこの一曲! という曲を教えて下さい。(2014年リリースでなくとも構いません)

(タイトル・アーティスト)
「闇が広がる」ミュージカル エリザベートより
「世界は闇に満ちている」BUCK-TICK
「Anthem of Light」LUNA SEA

(コメント)
三曲もあげてすみません……絞りきれなかった……
BUCK-TICKとLUNA SEAはそれぞれの最新アルバムから。ライヴで聴いて印象的だった曲です。本命バンド2つが同時に全国ツアーということで、とても充実した一年でした……おかげさまで銀行口座はあっという間にすっからかんになりましたが……。
さらに10月末には宝塚花組の「エリザベート」にどハマりしてしまい……もうほんとうに闇が広がりまくって死ぬ思いでした。

世の中のムードを表したように闇の曲ばかり選んでしまいましたが、そのなかにあってLUNA SEAは圧倒的に光属性なんだな……


・2014年一番注目していた人を教えて下さい。

(名前)
金魚ファー

(コメント)
祝・『金魚ファーラウェイ』発行!
いま最高に目が離せないコンビです。コンビでも、千瀬さんと笠木さんお一人ずつのこともとても応援しています。考え方や感じ方も、それを表す方法もとても好きです。


・2014年の重大ニュースを3つ選んでください。

1. 集団的自衛権、閣議決定
2. 香港反政府デモ
3.ソチ五輪・フィギュアスケート男子シングルで羽生結弦選手が金メダル

すごくいろいろなことがあった、激動だったという印象があるわりに、具体的にニュースを思い出そうとしたらあまり出てきませんでした。
スポーツでは錦織圭くんもすごかったよね!


・2014年の流行語を勝手に選んでみてください。

「みんなたち」っていうのがかわいいなと思って印象に残っています。


・2014年を漢字一文字で表してみてください。

 「闇」


・あなたが2014年一番嬉しかったこと/楽しかったことは何ですか?

2012年から自分がやってきたこと、2012年からの自分を「これでよかったのだ」と心から思えたこと。
ありがとうございました。

一人で遠征旅行する機会が二度ありましたが、長野ひとりLSBも広島ハッピーバースデー自分ライヴからの道後温泉もとても楽しかったです。
 ライヴに関してはとても恵まれた一年でした。


・あなたが2014年一番悲しかったこと/辛かったことは何ですか?

作文できなかったこと。
この何年かはわりと調子よく書けていたので、久々に読むことも書くこともできない状態になってしまい、とくに個人誌ではない原稿を落としてしまったのには結構落ち込みました……。わりとよくあるモードなんですが(死)


・あなたが2014年ハマったもの(こと)を教えてください。

……宝塚……いやまだハマるってほどでは! ちょっと興味があるだけで! ちょっと明日海さんが気になるだけで……!(必死)

必死になっていたのはなんだかんだで短歌だと思います。オフイベントをはじめ今年もBL短歌にはがっつり関わらせていただいたし、あいかわらず短歌に振り回されて泣いたり怒ったりしていた気がする。
最後の最後でバンド短歌も楽しかったです!


・あなたにとって2014年はどんな年でしたか?
 
この二年間の疲れが出た年。
休めばよかったんだ……って一年の半分以上過ぎて(今さら後に退けない予定詰めまくって)から気がつきました。実際、予定していた活動の半分もこなせず、情けない思いです。
ほんとうに疲れていたな、と思います。年始に大慌てで引越して、新しい部屋でなんとか暮らしてゆくだけでかなりいっぱいいっぱいになってしまい、綱渡り感がありました。とりあえずはよく乗り切ったなあと思います……
そして久々に自分を取り戻した感のある一年でした。後先考えずに遊びまくった年でもあって、それはとても楽しかったです。


・2014年にやり残してしまったなあということはありますか?

山のようにあるんだけど、最後の最後で体調崩したしもうしょうがないかな、という気がする。エネルギー切れ……
あっ「ホビット」の完結編を見に行きそびれました!


・2015年の目標を教えてください。

計画性を持つ。すべてにおいて計画的にゆきたい……今年は衝動的に生きすぎました。


・2015年のヒットアイテムを予想してください!(グッズ、流行語、タレント、ファッション等)

女の子ふたりもの、女同士の絆ものはもっと波が来てほしい!

第19回文学フリマ ありがとうございました

 まず大切なお知らせです。
『共有結晶 Vol.3』について、93頁より掲載されているそらしといろさんの作品「宿世拙し彼らを祝せ」の第五連の記載が欠落しておりました。作品本来の全容を収録したPDFファイルを共有結晶ウェブサイトにて配布しておりますので、お手数ですがご確認いただければと思います。
 
お買い上げいただきましたみなさま、並びに作者のそらしといろさんには多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

 文学フリマ、お疲れさまでした! 普段、職場での事務的な会話以外ではろくに声も出さず、休みの日は部屋から一歩も出ずに終わることもしょっちゅうな引きこもり生活を送っているのが、イベントだと一年分くらい人に会えたりお話できたりするのでつい興奮して挙動不審になってしまいます……。優しく接してくださったみなさま、ありがとうございました。
 お隣だった冬青のあずみさんも一日お世話になりました、ほんとうにありがとうございました。とても心強く、楽しかったです! 歌姫シリーズ最終巻の『ワスレナウタ』も切なくて胸が痛くなるような素晴らしい百合だった……またゆっくりあずみさんとお茶飲んだりしたいです……

 今回はものすごく散財してしまった……山羊の木・海岸印刷さんの『Collection 1』をはじめ、短歌の本も小説の本も相当買った気がします。『エフーディ Vol.1』はちょうど買いに行ったら三浦しをんさんがいらして「すっすっ好きです」と気持ち悪い告白をしてきました。しをんさんはとても優しい方で女神かと思いました……。

『ロータス』を書き終わった二年前、予想に反して達成感も開放感もなく、ただ虚脱だけがあって、書かなければよかった、と思ったことすらありました。いただいた感想ツイートをまとめたのも実はつらかったからで、しんどいとき何度も読み返しては読んでくださった方の言葉に力をもらっていました。
 どんなに苦しい体験をしても、そのおかげで書けた文章がたとえ一行でもあるならそれは無駄ではなかった、と思えて後悔もほとんどせずにすんでいたけれど、『ロータス』のことはそう思えなかった。自分自身頑張って完結させ、今までよりずっとたくさんの方に届いて、ほんとうにもったいないようなありがたいお言葉をいただいたにも関わらず、その幸せをきちんと受け止めることが出来ずにいました。

 この三年くらい、ずっと自己肯定できずにいたけれど、『ロータス』を読んでいただいたこと、『共有結晶』という最高のチームと出会ってかっこいい雑誌に関われたこと、新しい友だちがたくさんできたこと、そしてミーナのお二人をはじめ変わらず支えてくれた友だち、などなどのおかげで少しずつ肯定感が増えていって、文学フリマの日、久しぶりに「私はこれでよかった」と心から思えました。
 TRCの片隅で突然感極まって泣き出したりして申し訳なかったのですが(笑)、あのとき私はこの三年間許せずにいた自分のことを肯定できたんだよなあ……とあとから思い返して、仕事中に電卓を叩きながらまた泣きそうになったりしていました。

 これでよかった。今、こうしていてほんとうによかった。
 もしかしたら自分で思っていたより遠くへ来てしまって怖かったのかも知れません。でも、来年はもっと遠くまで行きたい。行けるところまで行く。

 明日の午後からバースデー休暇を取って出かけてきます。飛行機で広島へ飛んでBUCK-TICKのライヴ、翌日はフェリーで松山に渡って道後オンセナートです。
 以前にも文学フリマのあと突然一人旅に出たことがあって、そのときは青森の寺山修司記念館から三陸海岸沿いに南下して浄土ヶ浜、龍泉洞と岩手を巡ってきたのでした。2006年でした。なんで寺山つながりで恐山へ行かなかったのだろう……と我がことながら不思議な旅程でしたが、5年後の2011年に私が見た風景は失われてしまったことを思うと、行っておいてよかったとも思います。

第19回文学フリマ 当日の販売物

 いいお天気! 寒い日が続いていたけど、この三連休はあったかい好天になりそうで何よりです。
 さて、文学フリマ当日の私本人のブースの販売物は以下になります。

 Wilhelmina
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

穂崎円さん参加
『コトリの宮殿』 フリーパーパー 無料配布

 長々と書いてきた寄稿情報もまとめておきます。

『共有結晶』Vol.3 BL短歌合同誌実行委員会 F-22
 短歌「ラブレター」ほか

『兼ネル』 空際 カ39
 散文「中性の声、無性の声」・レビュー「女装の男役 ― SHAZNA『Melty Love』」

『花と蜜と女装男子』 絶対移動中 D-61・1103号室。 B-11
 小説「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」

『金魚ファーラウェイ』金魚ファー(委託先 一角 F-02)
 掌篇「薔薇色の日々」

 また、昨日チラッと書いた共有結晶ラリーですが、当ブースも対象になります。『I Say Hello』『ロータス』いずれも定番というか最初にオススメできる一冊ですので、どうぞこの機会にB-68まで遊びにいらしてくださいね。よろしくお願いいたします!

参加アンソロジーのご紹介『兼ネル』『共有結晶 Vol.3』

 今日はいよいよ文学フリマで発行になる大型アンソロジー二点のご紹介です。

 まず、性別越境アンソロジー『兼ネル』。
 サンプルが上がっていますが、漫画、小説、短歌、評論、レビューといったさまざまな形式で「性別越境」「演じるということ」が取り上げられています。内容もカストラート、タカラジェンヌ、羽生結弦、コスプレ、オメガバース、キリスト、男性の妊娠、異性装、男の娘などなどものすごく多彩です。
 私は「中性の声、無性の声」というタイトルで架空の音楽雑誌の記事で参加しています。「生まれながらの性別と、装いの性別と、声の性別を自在に組み合わせた華麗なパフォーマンスでリスナーを撹乱する猯樟雫駘瓩焚里ぜ蠅集うレーベル〈アイコノクラスタ〉」の特集という形式で、あえて「中性」であろうとするミュージシャンのインタビューとライヴレポートの二本立ての構成です。架空の記事、というかなり変則的な文章で、私自身もはじめての試みなんですが……受け容れてくださった『兼ネル』編集チームのみなさまの懐の深さにはほんとうに感謝しております……
 あと、SHAZNAの「Melty Love」PVについて、あのIZAMはいったい何者なのか、というところでレビューを書かせていただきました。ちなみに該当のPVはこれ。


 11月23日(明日だ!)のコミティア110&X4でも【つ29b あまりもの】さんと【X305 おがわさとし雑貨店】さんで頒布されるとのことです。
 文学フリマではFホール カ39空際さんでお求めになれます!

 そしてBL短歌合同誌『共有結晶 Vol.3』です!
 第三号の特集は二本立てで、第一特集は〈悪の短歌〉。「悪」の題詠と短歌の解凍を、「悪」にふさわしい攻撃的なヴィジュアルで見せます。市販の文芸誌にもないようなものすごくかっこいい誌面です!
 第二特集は〈黄昏の伴走者 藤原龍一郎インタビュー〉(この特集タイトルが最高に好き……)。かつてあのJUNEに「黄昏詞華館」という詩歌の投稿コーナーがありました(これについては『共有結晶』第二号で照井セイさんが取り上げておられます)。その選者をなさっていた藤原龍一郎氏にインタビューを行い、当時の「JUNE」的世界観の短歌についてお話していただきました。これは短歌という領域にとどまらず「JUNE・やおい・BL」という領域を考えるためにとても価値のある記事だと思います。
 また、ものすごくかっこよくて妄想せずにはいられない藤原龍一郎氏の短歌をBL読みするBL読みノックというコーナーもあり、ちゃっかり私も妄想を書いています(笑)
 私は今回は、今まで好きになったキャラクターとヴォーカリストたち(LSBの三名)を二次創作的に短歌にした「ラブレター」五首を出しました。ほか、岩川ありささんとの往復書簡、BL短歌オフイベントのレポートなど、みなさまの企画に乗っかるようなかたちであちこちに顔を出しています……みなさまありがとうございました……。(そして後から気がついたけどだいたいどこでもLUNA SEAの話をしています……)
 あっ、あと私が原案を出した擬人化4コマ漫画「BLくん×短歌くん」を表紙の装画も担当なさっている砂漠谷さんが作画してくださって、これが最高にオススメです!! BLがよくわからない・短歌がよくわからない・どっちもわかるけどBL短歌がよくわからない……などなどと思っておられる方々に是非お読みいただきたいです。
 頒布ブースはEホールF-22BL短歌合同誌実行委員会です。

共有結晶vol.3

 今回、共有結晶の寄稿者の個別ブースでお買い物をしてチケットを3枚集めると非売品のBL短歌手帳がもらえる、という共有結晶ラリー企画が行われます(F-22ブースで地図がもらえます)。『兼ネル』はネムカケスさん、三五千波さんをはじめ『共有結晶』のメンバーも多く参加しており、もちろんこのラリーの対象ですので、二冊あわせてのお買い上げをおすすめいたします!

参加アンソロジーのご紹介『花と蜜と女装男子』

 先日、霜月みつかさんとごはんをご一緒して『花と蜜と女装男子』を頂いてきました。絶対移動中さんと1103号室。さん共同主催の女装男子本第三弾です。ううっ表紙からしてかわいいぜ……!
 早速、にやにやしながら読みました。一読者としてとても楽しみにしていたので!

「かわいいのは女の子だけじゃない」伊藤鳥子さん
 タイトルのとおり、とにかくあゆみさんがかわいいです。付き合っている彼氏・悠介の仲良しの女の子に嫉妬したり、いまいち素直になりきれないところがほんとうにかわいい。ベッドシーンがけっこう濃厚でがっつりエロいんですが(とてもとても楽しく読みました)下品な意味でのいやらしさみたいなものがなくて、やっぱりかわいい感じがする。
 かわいい服、女の子の服を着たいけれど、「女の子になりたいわけじゃないんだ」というあゆみさんの台詞にはハッとさせられました。そんな彼に悠介が言う「あゆみさんは、今のままでもかわいいし、かわいい服を着たらもっとかわいいかもしれない。でも、おれは、そんな風に悩んでくれるあゆみさんが一番かわいいと思う」という台詞もとても好きです。

「赤いマチネとブルーのソワレ」泉由良さん
 
少女、百合、という言葉を連想する雰囲気で、世界観が好きでした。浴衣で京都を歩いて、老舗の喫茶店でお茶を飲んだりする。あとエミリーテンプルキュートが出てきてとても嬉しかった(笑)
 少女マチネに寄り添う蒼也は本物の少女ではないけれど、セックスに流れそうになったとき「荒っぽいこと、したくないんだ」と言ったりする。マチネの「あんまり胸大きいと、ね。ロリータのワンピースが似合わないって、分かっちゃった」というのも切ないです。そうなんだよな……

「あのひとが最後まで」霜月みつかさん
 
ゲイだけど、女装にはまったく興味がなかった明生が、すごく即物的な動機で仕方なく女装をはじめるというのが新鮮でした。ムダ毛を剃っていなくて泰斗に「お前、娘になる気あるのか?」と言われたり、ただ女物の服を着て、マニュアルどおりのメイクをしただけではかわいい男の娘にはなれないくだりとか、すごく面白かった。そうこうしているうちに、目的達成のための手段でしかなかった「女装」に救われるというのもよかった。
 女でも、普通の格好の男でもなく、女装男子が好き、という泰斗の欲望が興味深いです。実際、男の娘カフェのNewtypeにはひとりで来ている男性客が結構いたんですよね……

 小説のあいだには宵待めめさんのかわいい着せ替えイラストと、なかの真実さんのエロティックなイラストが花を添えています。まさに花と蜜と女装男子……タイトル通りの一冊です。
 女装男子、男の娘、という存在の不思議についてあらためて思いを馳せてしまいました。なりたい自分になろうとして、悩んだり迷ったり化粧や洋服選びを頑張ったりする彼らに共感しつつ、女の子たちも同じなんじゃないかと思ったり。

 私は「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」という、容姿は完璧だけど性格は最悪な女装男子が、コスプレROMのために割り切って女装している美人な男子と絡んだりする話を書きました。一応頑張っていかがわしくしたつもりだったんですが、ひとりだけエロがものすごくヌルくて……ほんとうに申し訳ないです……!(土下座)
 タイトルはクールベの「世界の起源」にちなんでいます。

 EホールD-61絶対移動中さんにて今回の文学フリマで東京初売りです。大阪ではたいへん好評な売れ行きだったそうですよ〜!

参加アンソロジーのご紹介『金魚ファーラウェイ』

 今年、寄稿させていただいているアンソロジーがどれもたいへん楽しい企画ばかりだったので、一冊ずつ内容紹介っぽいことを書いていこうかと思います。既に手元に実物があるご本については、感想を書きます。

 まずは山中千瀬さんと笠木拓さんのユニット金魚ファー発行の『金魚ファーラウェイ』です。
 この本は、ネットプリントで毎月配信されていた、塗ると嘘がうまくなるリップグロス・リプリルフールの商人あきひこさんとすずこさんの往復書簡(と短歌)の紙が一冊にまとまって、さらに多彩なゲストのリプリルフールにまつわる手紙・短歌・小説・漫画・評論などなどを集めたものです。
 私はもともと千瀬さんの短歌のファンでネットプリントを読み始めたのですが、第一回に登場する芹ちゃんと菫ちゃんという二人の女の子のエピソードにうわーとなりました。思春期の女の子二人の恋、というのはどうしても悲劇的な方面へ流れがちですが、菫ちゃんはそうならないような選択をする。さまざまな事情でリプリルフールを買いにくるさまざまな客たち、そして何者ともよくわからないすずこさんとあきひこさんの関係などに惹きこまれ、毎月欠かさずコンビニのコピー機に走る日々でした。
 商いをしながら二人が訪れる不思議な街々の様子はカルヴィーノの『見えない都市』を思い出させて、そこもとても好きでした。『見えない都市』の語りが少しずつ緊張感をはらんでいくように、終盤、すずこさんがアリサさんに再会してからの展開にはどこか張り詰めた感じがあって、とくにすずこさんの最後の手紙は、二人ともいつも大丈夫でありますように、いやもちろん大丈夫なんだろうけれど、と切なく読みました。
 本にはネットプリントの後日譚とも呼べる何通かの手紙が追加されています。あきひこさんとすずこさんのやりとりではなく、彼らの顧客たちからの使用報告で、菫ちゃんのその後の顛末はとてもとても嬉しかったです。

 物語だけでなく短歌もたくさん掲載されていて、私は「半月ほど西日」という連作が大好きです。読むたびに泣いてしまいます。

あの部屋を思い出すとき金色の光あふれて燃えるカーテン(山中千瀬)
星の夜の円形劇場その中心にあやまたずありグランドピアノ(笠木拓)

 ゲストの方々の作品もそれぞれバラエティに富んでいて、リプリルフールと金魚ファーへの愛が詰まっている感じが素晴らしいです。
 私は「薔薇色の日々」という掌篇を書きました。福利厚生の一環として(?)オフィスビルの一角で売られていたリプリルフールを買った会社員の話です。

 今回の文学フリマではEホールF-02 一角さんで『金魚ファーラウェイ』が委託販売されるとのことです。
 私も春に買い逃した『二角』を買いに行くつもりでおります……!

第19回文学フリマ 参加のお知らせ

 すっかり冷え込んできましたね……。秋から冬への変わり目って、何を着たらいいのかわからなかったりヒーターをつけていいのかどうか迷ったりするせいで、真冬よりも風邪を引きがちな気がするのは私だけでしょうか……今年は10月からホットカーペットが大活躍です。
 さて、もう一週間後には文学フリマです。一年ぶりに参加いたします。

2014年11月24日(月祝) 11:00〜17:00
東京流通センター
第二展示場 E・Fホール
(東京モノレール 流通センター駅徒歩1分)
B-68「痛覚+Wilhelmina」

 イベントの詳細はこちらから。

 Wilhelminaはビートルズトリビュート本『I Say Hello』、痛覚は『ロータス』を持ってゆきます。どちらもご好評いただいている定番品ですので、はじめましての方やまだお持ちでないという方はこの機会にぜひ!
 また、穂崎さんが超短編フリーペーパー「コトリの宮殿(声に出して読みたい超短編)」を配布予定とのこと。超短編マッチ箱さんの企画かな? 穂崎さんは気がつくといろいろ活躍していて今回も多方面に寄稿しているようです(笑)

 寄稿といえば、今年もBL短歌合同誌『共有結晶』第三号と、あと性別越境アンソロジー『兼ネル』に参加させていただいてます!
 絶対移動中さん・1103号室。さん共同主催の女装男子本『花と蜜と女装男子』も東京は初売りかな? 既刊では、『金魚ファーラウェイ』が一角さんで委託されるそうです。
 どれも超豪華メンバーによるアンソロジーなので、どうぞよろしくお願いいたします!

 今回、Wilhelminaはゲスト様をお迎えして新刊発行を予定していたものの、制作が難航してイベントに間に合わせることが出来なかったため、延期することになりました……。
 ほとんど告知していなかったのですが、冊子のカタログのサークル紹介には書いてしまったので……大変申し訳ございません。
 来春には発行したいと思っておりますので、今後ともWilhelminaを見守っていただけると嬉しいです。編集責任者は不甲斐ないですけど企画もゲスト様も最高なので……! 絶対にいい本を作りますので……!

第二回文学フリマ大阪のことなど

 残暑、っていうほど暑さが厳しくなく助かっています。とはいえ、各地で豪雨がすごいことになっていて心配ですね……。何だかやたらと気象災害が多いような気がしますが、前からこんなもんだったっけか。
 コミティアのお礼も出来ないまま更新を途絶えさせてしまいまして、もういつものことなんだけど申し訳ありません、その節はありがとうございました……。イベント後の打ち上げがたいへん濃かったことが印象に残っています。
 いまの木造アパートに引っ越して半年以上経ちました。夏は乗り切ったけど、この部屋、寒くなったらどうなんだろ……とか思ってたけど、そもそも真冬の厳寒のさなかに引っ越したんだった。あっというますぎてびっくりする……! 実はその前の住まいでは正味5ヶ月半しか生活しなかったので、すでにいまの部屋で同じだけの時間を過ごしたことになるのですが、体感がぜんぜん違う……一瞬だった……

 そうこうするうちに明日は第二回文学フリマ大阪です。
 私は東京で作文するだけの三連休ですが、ありがたいことに私の書いたテキストは幾つか大阪に運ばれていますので、少しお知らせを。

 絶対移動中と1103号室。さんの新刊『花と蜜と女装男子』に参加させて頂いています。こちらの女装男子本は以前に出ている2冊とも即買いして愛読していたので、今回書かせていただけてすごく嬉しいし、光栄です!
 私は「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」というコスプレ系女装男子の話を書きました。女装男子本のシリーズは第三弾の今回でファイナルとのことなんですが、私が女装男子モノを書くのもたぶんこれで最後だと思います(少なくともしばらくは)。このテーマで書きたいことはだいたい書いてしまったので。
 ここ最近はWilhelminaの合同誌がメインだったので毛色の違うものを書いてましたが、この話はわりと痛覚モードだと思います。安定の痛さとキモさ、そして相変わらずマルイワンへ行く主人公(さすがに今回はアナスイとゴルチエとモワティエとアウアアは自ら禁止しました)。自分でも書いてて、久しぶりだな〜この感じ! と思った(笑)「切ない、かわいい本」なのに私のだけ浮いているのでは……というのが心配ですが……。あと、「ちょっとエッチ」ということだったので多少いかがわしい場面があります。頑張りました。
 大阪文フリに行かれる方は私より早くこの本を読めるのかと思うと妬ましい……。私も早く手にとって読みたいな〜!
 ブースはC-02[絶対移動中]さんでお求めになれます!(おとなりC-01は共同主催の[1103号室。]さんで、こちらの小説もとてもオススメ)

 あとは既刊ですが『共有結晶』Vol.1とVol.2もE-23[cieliste]さんのブースに委託されます。Vol.3の内容を一足早くお届けする告知フライヤーの配布もあるようですので、是非よろしくお願いいたします。
 ちなみに[cieliste]の壬生キヨムさん、更におとなりE-24[ヨモツヘグイニナ]の孤伏澤つたゐさんはいずれも共有結晶に参加なさっておられますので要チェック! 共有結晶参加メンバーだと[B-32 夜更社]の正井さんもいらっしゃいます。
 また、E-17[一角]では春に掌篇を書かせていただいた『金魚ファーラウェイ』が委託されるとのことです。

 書いてたら私も猛烈に行きたくなってきました。欲しい本がいっぱいありすぎる……。せっかくBUCK-TICKの大阪公演と日程がかぶっているんだし、行けばよかったなあ……
 しかし上半期いい気になって見境なくチケットを取りまくったおかげで現在私は財政破綻を起こしており、もはや何の余裕もないのに新たなエントリーはしてしまう……という破滅的な経済状況なので、やはりおとなしく東京で盛会を祈らせていただきます。書かなきゃいけない作文もてんこ盛りだしな(涙目)
 参加される皆さまはどうぞ楽しんでいらしてください!

コミティア108 当日の販売物

 いつまで薄ら寒いんだろう……と思っていたら、夏か! というくらいの陽気になってしまった。好天つづきの黄金週間ですが、絶賛部屋に引きこもって過ごしています。今日は劇場版BUCK-TICK現象とライヴスペシャルを流しながら楽しくイベント前作業です(このためにあわててWOWOWに入った)。
 イベントが終わったらBUCK-TICKとLUNA SEAの全国ツアー(かぶった……)に向けて本気出します。7月の長野遠征の手配をする! 同じホールで土曜はBUCK-TICK、日曜はLUNA SEAという奇跡の2デイズ!(笑)6月にはサッカーW杯も始まるし、いろいろ楽しみですね!

 その前に私のこの連休唯一のイベント、コミティア105の販売物です。
 Pixivにおしながきもあがってるのでこちらもあわせてご覧ください。

Wilhelmina
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円
『Kyrie eleison』 オフセット/文庫版/172頁 1000円

痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円
『惜春』 コピー/A5/20頁 無料配布

穂崎円さん参加
『コトリの宮殿 11号』 フリーパーパー 無料配布

 また、猫にリボン。の蝶子さんの写真集を委託販売します!
 物語性のある素敵な写真集です。少年・少女を愛してやまない方もそうでない方もぜひ。

『少年少女童話』 フルカラー/A5変型/32頁 1200円
『森ガール』 フルカラー/A6/36頁 1000円
『ALICE in WONDERLAND』 フルカラー/B6変型/20頁 600円

 無料配布の小冊子はこのサイトの「文字書きさんに100のお題」からの再録で「075:ひとでなしの恋」の短篇です。新作じゃなくてごめんなさい……
 先日、BL春の風物詩・桜にさらわれる受の起源問いの話題でツイッターの私のTLが大いに盛り上がり、そういえばBLじゃないけど桜モノの話は幾つか書いたなあ……と思い出して二つほど発掘した、うちの一篇です。もう一篇の「さよなら、初恋の君」はネットプリントで配信していました(ここでお知らせできず申し訳ありません!)。なお、王道ど真ん中の「お前が、桜にさらわれてしまいそうで……」なBLも書いてまして(笑)これはBL短歌誌『共有結晶 Vol.2』に載せていただきました!『共有結晶 Vol.2』はコミティアU20b「あまりもの」様で委託販売されるとのことですので、興味のある方は是非お手にとっていただければと思います。
「桜にさらわれる」というシチュエーションでミーナの合同誌を作ったら? という話も出たのですがちょっとギリギリすぎて今回は難しかったので、せめてもと思って私個人の桜モノを集めてみたという……微妙に季節を外している自己満足な何かですみません。ちなみに犬塚さんと穂崎さんに「桜にさらわれる」というお題だったらどんなの書きますか? と投げかけてみたら、お二方とも期待を裏切らないお答えでした(笑)ミーナがいつも微妙に斜め上なのは私のせいじゃないな! って思った……!

無料配布冊子

 また、同日にTRCで開催される文学フリマで以下のご本に書かせていただいてます。

『金魚ファーラウェイ』金魚ファー ウ−35
 リプリルフールにまつわる創作「薔薇色の日々」

 あいにくのバッティングですが、国際展示場とTRCは片道30分くらいの距離という情報もありますので、文学フリマへ遊びに行く予定の方もちょっと立ち寄ってくださると嬉しいです!
 それでは、明日お会いできるのを楽しみにしております。

コミティア108 参加のお知らせ

 気分はすっかり連休に飛んで心ここにあらずでぼんやり仕事をしています。GWはコミティア108に参加します!

2014年5月5日(月祝) 11:00〜16:00
東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
東5 Q48a「痛覚+Wilhelmina」

 詳細はこちらから。

 ビートルズトリビュート本『I Say Hello』は今回がコミティア初売りです! 初めまして方々に向けて、Wilhelminaというユニットを知るきっかけになればいいな、というコンセプトで作りました。お値段・頁数ともに軽めなので、お試し感覚で気軽に手にとっていただけると嬉しいです!
 神父アンソロジー『Kyrie eleison』もあるだけ持っていきます。残部僅少なのでお求めの方はお早めに……

 個人では、穂崎さんがイラスト+掌編の超短編フリーペーパー「コトリの宮殿11号」を配布されるとのこと。
 私も無料配布できる小さな何か(……)をつくっていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。おかげさまでご好評いただいている『ロータス』も置きます。

 また、同じ日にTRCでは文学フリマが行われますが、こちらで販売される『金魚ファーラウェイ』に掌編を書かせていただきました。
 山中千瀬さんと笠木拓さんによる、塗ると嘘がうまくなるリップグロス「リプリルフール」の行商人ふたりの往復書簡のかたちをとった「短歌とか嘘とかの紙」金魚ファーはネットプリントで配信されていたのですが、今回それが一冊にまとまって本になるとのこと。お二人の短歌も大好きだったし、ふたりの行商人が語るそれぞれの旅も『見えない都市』を思い出す感じですごくいいです。この不精な私が毎月欠かさずコンビニに走ってコンプリートしたからね!
 そんな私の重い愛が伝わったのか(笑)今回書かせていただいてほんとうに嬉しかったんですが、ゲストの方々が豪華すぎて震える……もう……お目汚しで申し訳ありません……。ともあれ、全力でオススメする一冊です! 私も一読者としてとても楽しみにしています。
 ブースはウ-35[金魚ファー]さんです。

 同日開催ということで泣く泣く今回はコミティアを選んだのですが、文学フリマのほうにも欲しい本やお会いしたい方がたくさんでギリギリしています……一般でもいいから遊びに行きたかった〜!