第21回文学フリマ東京 参加のお知らせ&『庫内灯』のこと

 ついこのあいだ5月のイベントが終わったと思っていたのに、もう今年が終わろうとしている……。秋の文学フリマ東京も気づけば目前でした。参加いたします、よろしくお願いします。

 2015年11月23日(月祝) 11:00〜17:00
 東京流通センター 第二展示場
(東京モノレール 流通センター駅 徒歩1分)
 C-50「痛覚+Wilhelmina
 イベントの詳細はこちらから。

 春に引き続き、文学フリマ大阪非公式ガイドでご紹介いただいた天使アンソロジー『el』と、ビートルズトリビュート本『I Say Hello』を持ってゆきます。
 おかげさまで『el』は大阪では委託分が早々になくなってしまったと聞きました。この機会にぜひ!

 また、文学フリマ大阪で発行されて以来たいへん話題になり、先日は朝日新聞のコラムでも取り上げられたBL俳句誌『庫内灯』が東京でも頒布されます。
 実は私も散文でちょっとだけ参加させていただいています。尾崎放哉の「墓のうらに廻る」をもとに「逢瀬」という掌編を書きました、ので、少しその話をさせてください。

 正直なところ俳句は「わからない」という意識が強く、積極的に読んだり書いたりしようともせず、なんとなく距離を置いてきたのですが、決定的に「わからない」と思いこんだきっかけが高校の国語要覧に載っていた尾崎放哉でした。
 五七五の十七音で季語をもついわゆる定型の句ですらつかみどころがないのに、「無季・自由律」などと言われてしまうともう、とりつくしまがない。種田山頭火の「あるけばかつこういそげばかつこう」「分け入つても分け入つても青い山」あたりならそれでもまだ、リズムにのれる気がするけれど「墓のうらに廻る」になってくると、これも……俳句……? 俳句とは……? ととまどってしまう感じでした。
 ただ同時に、意味がわからなすぎて最高におもしろいとも感じていて、「墓のうらにww廻るwww」みたいなだいぶ失礼なノリで(ごめんなさい……)ずっと忘れられずにいました。おしゃべりしていて俳句わっかんないよな〜みたいな話題が出たら必ずこの句を引いていた気がする。

 それから『共有結晶』に参加してBL短歌と関わり、短詩の「BL読み」に目覚めて楽しむようになりました。
 あるときツイッターのタイムラインに「入れものが無い両手で受ける」はBL読みできる、という話題が流れてきました。(2014年3月23日
 そうか、尾崎放哉にもBL読みは適用できるんだ……その発想はなかったな……と「墓のうらに廻る」を思い出したとき、あっ、と思いました。「BL読み」の回路を起動したとたんに、今までまったく浮かばなかった光景が、眼前にばーっと広がったのです。
 ふつうに花を供え、線香をあげるのではなくわざわざ「うらに廻る」。
 その墓は彼(主体)にとってとくべつな墓だったのだろうか。
 そこに眠っているのは彼とどういう関係にあった人なのだろう。
 ……「BL読み」しなくても、最初からこういうことを思い浮かべることは可能だと思います。けれど私には「BL読み」という補助線が必要だった。あるいはこれは私の妄想を盛りすぎている読みかも知れない、それでも、何のてがかりもなくただの文字列として眺めるしかなかった「墓のうらに廻る」が、私にもひらかれた、という感覚は鮮烈でした。あと、すごく萌えた。

 そんなわけで、俳句を「BL読み」しての解凍ということで『庫内灯』にお誘いいただいて、迷わず「墓のうらに廻る」を選びました。読みの補助線として「BL」が機能する可能性、それを伝えられたらと思っていた……。だいぶ難航してご迷惑もおかけしましたが、書かせていただけてほんとうによかったです。
『庫内灯』の頒布ブースはB-20 夜間飛行惑星さまです。私もまだ実物を読んでいないので、文フリ東京で入手するのが楽しみです……!

C88委託&『el』通販開始のお知らせ

 酷暑がつづいてほんとうにぐったりしてしまいますね……。先日、渋谷の公園通りを歩きながら、五年ぐらい前の夏に行った台湾やマカオの熱波を思い出しました……

 しかしようやくお盆休み! そして夏コミですね!
 今年は春からお世話になりっぱなしのあずみさんのサークル[冬青]さまに短歌中心百合本『きみとダンスを』、天使アンソロジー『el』、そして『ロータス』の三点をお預かりいただけることになりました。

8月14日(金)東5ホール ペ04a「冬青」

 お品書きはこちらから!
 新刊は歌姫百合小説「ワスレナウタ」シリーズの番外編とのことで、私もものすごく楽しみです……!! 個人的には『解放弦』からのシリーズ全部買いを全力でおすすめいたします。
 ちなみにあずみさんは『きみとダンスを』に春日井建の短歌から掌篇「消滅可能性私達」、『el』に1988年のソ連が舞台のフィギュアスケーターの物語「レニングラード(1988)」をお寄せくださっています。どちらもあずみさんらしい、きれいな文章で綴られたきれいなだけでは済まない物語です。こんな素敵なお話を二つも書いていただいて、ほんとうに図々しくお願いしてよかった……!

 また『きみとダンスを』につづき、天使アンソロジー『el』も架空ストアさんより通販可能になっております。
 架空ストアさんでは8月22日から架空指輪展という気になるイベントが予定されているので、ぜひあわせてチェックしていただければ……と思います。あずみさんも参加しておられますよ〜。私ものぞいてみるつもりです!

 なお夏コミ当日は本だけでなく私本人もお預かりいただく予定でスペースにお邪魔してますので、よろしくお願いいたします。厳しい戦いになるのは覚悟しつつ、すごく楽しみです!

春のイベントありがとうございました&『きみとダンスを』通販開始のお知らせ

 5月あたまのイベントが終わった直後からひとり暮らししていた部屋の撤収に入り、ようやく何もかも一段落しました。不測の事態で実家に避難しながらアンソロジーを2冊つくり、イベントに3回参加し、そのうち1回は地方遠征で、ついでにライヴ遠征もして、勤務先は繁忙期、という馬鹿みたいなことになっていた春をなんとか……乗り切った……3・4・5月は正直目が回りそうでした……
 そしてすべてを終わらせて呆けていたら6月も半ばで……ちょっとぼんやりしすぎました……すみません……

 そんなわけでたいへん遅くなりましたが、GWの文学フリマ・コミティアではありがとうございました。
 なんとか無事に新刊をもってイベントに参加できたのはみなさまに支えていただいたおかげです……。まず何よりもミーナのお二人、アンソロジー2冊ともにご参加くださったうえに天使本では合体配置や合同チラシなど全面的に連携してくださったあずみさん、『きみとダンスを』にご参加いただいた方々、アンソロジーの編集責任者としては至らない点ばかりだった私をあたたかく見守ってくださったことに心から感謝しております。
 もちろんお手にとってくださった方々にも感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます! 楽しんでいただけると幸いです。

 さて、お知らせです。『きみとダンスを』を架空ストアさんで扱っていただけることになりました。
 イベントより頒布価格が若干あがってしまって心苦しいのですが、通販可能なのでよろしくお願いいたします(こちらからお求めいただけます)
 架空ストアさんには以前からお願いしてみたかったので嬉しいです! 素敵なものをたくさん扱っておられるお店なので、ぜひお買い物のついでに『きみとダンスを』もカートに入れていただけたらと思います(笑)
 今後Wilhelminaの天使本もお願いしようかなと思っております。通販の用意が整ったらまたお知らせしますので、よろしくお願いいたします。
 

第20回文学フリマ東京&コミティア112 ブースNo.と販売物

 金沢ではありがとうございました!
 なんとか無事終わった〜と思ってぼんやりしていたら案の定あっというまに黄金週間です。直前ですが、4日と5日のイベント参加のお知らせです。 

 2015年5月4日(月祝) 11:00〜17:00
 東京流通センター 第二展示場
(東京モノレール 流通センター駅 徒歩1分)
 B-39「痛覚+Wilhelmina
 イベントの詳細はこちらから。

 2014年5月5日(火祝) 11:00〜16:00
 東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
 東5 W06b「痛覚+Wilhelmina」
 イベントの詳細はこちらから

 新刊はWilhelmina主催の天使をテーマにしたアンソロジー『el』です。
 誌名はヘブライ語由来の天使の名前には「−エル」がつくことに由来しています。「神」を指す一般名詞として旧約聖書にも用いられている語だとか。

el
 執筆メンバーと収録作品のタイトルは以下のとおりです。

 犬塚暁「ガブリエル」
 あずみ(冬青)「レニングラード(1988)」
 柳川麻衣「羽」
 穂崎円「ハロー、ニュー・ワールド」

 (収録順・敬称略)

 ゲストにあずみ様をお迎えし、以上の四作品を収録してお届けします!
 義体、フィギュアスケーター、ヴォーカリスト、アヴァター、それぞれに宿る天使をお楽しみください。
 なお、文学フリマではB-40「冬青」さまと合体配置で、天使モチーフ繋がりということであずみさんの歌姫シリーズ『ワスレナウタ』と『el』の合同フライヤーも配布します。歌姫シリーズはきれいごとだけでない女の子ふたりの感情が、すごくきれいなタッチで描かれている素晴らしい百合で、私も大好きなのですごく嬉しい……ありがとうございます……!
 ぜひ、あわせてチェックしてください。

『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

 また、既刊の『I Say Hello』は金沢でも手にとっていただけて嬉しかったです。ミーナって何者なの? 本買って大丈夫なの? という方は、お値段・ボリュームともに軽めなこちらからどうぞ〜。

『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円
 
『きみとダンスを 百合詞華集』 オンデマンド/新書版/128頁 800円

『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円

  今回は小説ジャンルですが、金沢でご好評いただけた短歌中心百合アンソロジー『きみとダンスを』東京での初売りとなります。短歌中心といいつつ、編集した私が散文畑だったせいなのか小説のボリュームも結構ありますので、小説が好きな方にも是非お読みいただきたい一冊です。
 なお、私は以前にペーパーで配布した河野裕子の「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」をもとにした掌篇を出しました。『ロータス』のスピンオフです。
 あわせて引き続き『共有結晶』もお預かりしますので、まだ手に入れていないという方はぜひこの機会に!

 久々に新刊を携えてのイベント参加で今からとても浮かれています。
 TRC&ビッグサイトでお会いしましょう! よろしくお願いいたします。

第1回文学フリマ金沢 ブースNo.と販売物

 いつもながらギリギリ告知になってしまいましたが、今週末に金沢で初開催される文学フリマに出店します!

2015年4月19日(日) 11:00〜16:30
ITビジネスプラザ武蔵 5F・6F
(JR 金沢駅 兼六園口徒歩15分/北鉄バス 武蔵ヶ辻 徒歩1分)
え-10「痛覚+Wilhelmina

イベントの詳細はこちら から。

 今回は短歌ジャンルでブースを取っていまして、新刊は短歌中心百合アンソロジー『きみとダンスを 百合詞華集』です。
 あずみ・磯崎愛・ういの・笠木拓・孤伏澤つたゐ・佐々木紺・蝶子・似子・ネムカケス・平田有・穂崎円・本多響乃・mai・正井・松本てふこ・山中千瀬・わたぬき(五十音順・敬称略)そして柳川麻衣、以上18名の執筆者による、百合短歌と百合俳句、そして既存の短歌を百合読みしたショートストーリーを集めたアンソロジーです。
 BL短歌の本があるなら百合短歌の本もあってよいのでは……というか私が欲しい……! というところから軽い気持ちでスタートした企画でしたが、たいへん豪華かつバラエティ豊かな方々にご参加いただけて、とても充実した内容になりました。
 百合、ということばから定型的に思い起こされるイメージにとどまらない、さまざまなかたちの「女の子ふたり」がぎゅっと詰まっています。編集作業中、何度も本気で泣いてしまって手が止まりました……。

『きみとダンスを 百合詞華集』 オンデマンド/新書版/128頁 800円


 また、共有結晶Vol.2とVol.3をお預かりします。イベント価格でお求めになれるチャンス!『きみとダンスを』と両方参加の方も結構おられますので、百合・BLぜひ合わせてどうぞ!

『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円

 既刊の小説本も持ってゆきます。痛覚・Wilhelminaそれぞれこれを読んでもらえればどんな感じかわかる! という名刺的な一冊です(『ロータス』はぶ厚すぎるけど……)よろしくお願いいたします。

Wilhelmina
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

痛覚
 『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

穂崎円さん参加
 『コトリの宮殿19号』 フリーパーパー 無料配布

 なお、5月は4日の第20回文学フリマ、5日のコミティア112と小説の新刊を用意して連日で参加いたします。
 金沢から帰って来たら詳細をお知らせしますね。

 2015年初の更新だということに気付いて愕然としております……年始のご挨拶もしないまま4月の半ばとか……
 いやもうほんと今年は明けて早々わーっと色んなことがあって、追われるようにわーわーしているうちに気がついたら春になってた感じです……
 現状とても不安定な感じの生活なのですが、とにかく春のイベントラッシュを乗り切ってから落ち着いていろいろ整理したい……ひとまずグダグダながらも予定どおり新刊発行出来そうなのでホッとしています。
 金沢はライヴ遠征などで過去に2度くらい行っていて3回目なのですが、好きな街なので楽しみです! JR付きの宿泊プランが取れなくて往復航空機だけど……北陸新幹線乗れないけど……(涙目)ノドグロ食べたい……

第19回文学フリマ ありがとうございました

 まず大切なお知らせです。
『共有結晶 Vol.3』について、93頁より掲載されているそらしといろさんの作品「宿世拙し彼らを祝せ」の第五連の記載が欠落しておりました。作品本来の全容を収録したPDFファイルを共有結晶ウェブサイトにて配布しておりますので、お手数ですがご確認いただければと思います。
 
お買い上げいただきましたみなさま、並びに作者のそらしといろさんには多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

 文学フリマ、お疲れさまでした! 普段、職場での事務的な会話以外ではろくに声も出さず、休みの日は部屋から一歩も出ずに終わることもしょっちゅうな引きこもり生活を送っているのが、イベントだと一年分くらい人に会えたりお話できたりするのでつい興奮して挙動不審になってしまいます……。優しく接してくださったみなさま、ありがとうございました。
 お隣だった冬青のあずみさんも一日お世話になりました、ほんとうにありがとうございました。とても心強く、楽しかったです! 歌姫シリーズ最終巻の『ワスレナウタ』も切なくて胸が痛くなるような素晴らしい百合だった……またゆっくりあずみさんとお茶飲んだりしたいです……

 今回はものすごく散財してしまった……山羊の木・海岸印刷さんの『Collection 1』をはじめ、短歌の本も小説の本も相当買った気がします。『エフーディ Vol.1』はちょうど買いに行ったら三浦しをんさんがいらして「すっすっ好きです」と気持ち悪い告白をしてきました。しをんさんはとても優しい方で女神かと思いました……。

『ロータス』を書き終わった二年前、予想に反して達成感も開放感もなく、ただ虚脱だけがあって、書かなければよかった、と思ったことすらありました。いただいた感想ツイートをまとめたのも実はつらかったからで、しんどいとき何度も読み返しては読んでくださった方の言葉に力をもらっていました。
 どんなに苦しい体験をしても、そのおかげで書けた文章がたとえ一行でもあるならそれは無駄ではなかった、と思えて後悔もほとんどせずにすんでいたけれど、『ロータス』のことはそう思えなかった。自分自身頑張って完結させ、今までよりずっとたくさんの方に届いて、ほんとうにもったいないようなありがたいお言葉をいただいたにも関わらず、その幸せをきちんと受け止めることが出来ずにいました。

 この三年くらい、ずっと自己肯定できずにいたけれど、『ロータス』を読んでいただいたこと、『共有結晶』という最高のチームと出会ってかっこいい雑誌に関われたこと、新しい友だちがたくさんできたこと、そしてミーナのお二人をはじめ変わらず支えてくれた友だち、などなどのおかげで少しずつ肯定感が増えていって、文学フリマの日、久しぶりに「私はこれでよかった」と心から思えました。
 TRCの片隅で突然感極まって泣き出したりして申し訳なかったのですが(笑)、あのとき私はこの三年間許せずにいた自分のことを肯定できたんだよなあ……とあとから思い返して、仕事中に電卓を叩きながらまた泣きそうになったりしていました。

 これでよかった。今、こうしていてほんとうによかった。
 もしかしたら自分で思っていたより遠くへ来てしまって怖かったのかも知れません。でも、来年はもっと遠くまで行きたい。行けるところまで行く。

 明日の午後からバースデー休暇を取って出かけてきます。飛行機で広島へ飛んでBUCK-TICKのライヴ、翌日はフェリーで松山に渡って道後オンセナートです。
 以前にも文学フリマのあと突然一人旅に出たことがあって、そのときは青森の寺山修司記念館から三陸海岸沿いに南下して浄土ヶ浜、龍泉洞と岩手を巡ってきたのでした。2006年でした。なんで寺山つながりで恐山へ行かなかったのだろう……と我がことながら不思議な旅程でしたが、5年後の2011年に私が見た風景は失われてしまったことを思うと、行っておいてよかったとも思います。

第19回文学フリマ 当日の販売物

 いいお天気! 寒い日が続いていたけど、この三連休はあったかい好天になりそうで何よりです。
 さて、文学フリマ当日の私本人のブースの販売物は以下になります。

 Wilhelmina
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

穂崎円さん参加
『コトリの宮殿』 フリーパーパー 無料配布

 長々と書いてきた寄稿情報もまとめておきます。

『共有結晶』Vol.3 BL短歌合同誌実行委員会 F-22
 短歌「ラブレター」ほか

『兼ネル』 空際 カ39
 散文「中性の声、無性の声」・レビュー「女装の男役 ― SHAZNA『Melty Love』」

『花と蜜と女装男子』 絶対移動中 D-61・1103号室。 B-11
 小説「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」

『金魚ファーラウェイ』金魚ファー(委託先 一角 F-02)
 掌篇「薔薇色の日々」

 また、昨日チラッと書いた共有結晶ラリーですが、当ブースも対象になります。『I Say Hello』『ロータス』いずれも定番というか最初にオススメできる一冊ですので、どうぞこの機会にB-68まで遊びにいらしてくださいね。よろしくお願いいたします!

参加アンソロジーのご紹介『兼ネル』『共有結晶 Vol.3』

 今日はいよいよ文学フリマで発行になる大型アンソロジー二点のご紹介です。

 まず、性別越境アンソロジー『兼ネル』。
 サンプルが上がっていますが、漫画、小説、短歌、評論、レビューといったさまざまな形式で「性別越境」「演じるということ」が取り上げられています。内容もカストラート、タカラジェンヌ、羽生結弦、コスプレ、オメガバース、キリスト、男性の妊娠、異性装、男の娘などなどものすごく多彩です。
 私は「中性の声、無性の声」というタイトルで架空の音楽雑誌の記事で参加しています。「生まれながらの性別と、装いの性別と、声の性別を自在に組み合わせた華麗なパフォーマンスでリスナーを撹乱する猯樟雫駘瓩焚里ぜ蠅集うレーベル〈アイコノクラスタ〉」の特集という形式で、あえて「中性」であろうとするミュージシャンのインタビューとライヴレポートの二本立ての構成です。架空の記事、というかなり変則的な文章で、私自身もはじめての試みなんですが……受け容れてくださった『兼ネル』編集チームのみなさまの懐の深さにはほんとうに感謝しております……
 あと、SHAZNAの「Melty Love」PVについて、あのIZAMはいったい何者なのか、というところでレビューを書かせていただきました。ちなみに該当のPVはこれ。


 11月23日(明日だ!)のコミティア110&X4でも【つ29b あまりもの】さんと【X305 おがわさとし雑貨店】さんで頒布されるとのことです。
 文学フリマではFホール カ39空際さんでお求めになれます!

 そしてBL短歌合同誌『共有結晶 Vol.3』です!
 第三号の特集は二本立てで、第一特集は〈悪の短歌〉。「悪」の題詠と短歌の解凍を、「悪」にふさわしい攻撃的なヴィジュアルで見せます。市販の文芸誌にもないようなものすごくかっこいい誌面です!
 第二特集は〈黄昏の伴走者 藤原龍一郎インタビュー〉(この特集タイトルが最高に好き……)。かつてあのJUNEに「黄昏詞華館」という詩歌の投稿コーナーがありました(これについては『共有結晶』第二号で照井セイさんが取り上げておられます)。その選者をなさっていた藤原龍一郎氏にインタビューを行い、当時の「JUNE」的世界観の短歌についてお話していただきました。これは短歌という領域にとどまらず「JUNE・やおい・BL」という領域を考えるためにとても価値のある記事だと思います。
 また、ものすごくかっこよくて妄想せずにはいられない藤原龍一郎氏の短歌をBL読みするBL読みノックというコーナーもあり、ちゃっかり私も妄想を書いています(笑)
 私は今回は、今まで好きになったキャラクターとヴォーカリストたち(LSBの三名)を二次創作的に短歌にした「ラブレター」五首を出しました。ほか、岩川ありささんとの往復書簡、BL短歌オフイベントのレポートなど、みなさまの企画に乗っかるようなかたちであちこちに顔を出しています……みなさまありがとうございました……。(そして後から気がついたけどだいたいどこでもLUNA SEAの話をしています……)
 あっ、あと私が原案を出した擬人化4コマ漫画「BLくん×短歌くん」を表紙の装画も担当なさっている砂漠谷さんが作画してくださって、これが最高にオススメです!! BLがよくわからない・短歌がよくわからない・どっちもわかるけどBL短歌がよくわからない……などなどと思っておられる方々に是非お読みいただきたいです。
 頒布ブースはEホールF-22BL短歌合同誌実行委員会です。

共有結晶vol.3

 今回、共有結晶の寄稿者の個別ブースでお買い物をしてチケットを3枚集めると非売品のBL短歌手帳がもらえる、という共有結晶ラリー企画が行われます(F-22ブースで地図がもらえます)。『兼ネル』はネムカケスさん、三五千波さんをはじめ『共有結晶』のメンバーも多く参加しており、もちろんこのラリーの対象ですので、二冊あわせてのお買い上げをおすすめいたします!

参加アンソロジーのご紹介『花と蜜と女装男子』

 先日、霜月みつかさんとごはんをご一緒して『花と蜜と女装男子』を頂いてきました。絶対移動中さんと1103号室。さん共同主催の女装男子本第三弾です。ううっ表紙からしてかわいいぜ……!
 早速、にやにやしながら読みました。一読者としてとても楽しみにしていたので!

「かわいいのは女の子だけじゃない」伊藤鳥子さん
 タイトルのとおり、とにかくあゆみさんがかわいいです。付き合っている彼氏・悠介の仲良しの女の子に嫉妬したり、いまいち素直になりきれないところがほんとうにかわいい。ベッドシーンがけっこう濃厚でがっつりエロいんですが(とてもとても楽しく読みました)下品な意味でのいやらしさみたいなものがなくて、やっぱりかわいい感じがする。
 かわいい服、女の子の服を着たいけれど、「女の子になりたいわけじゃないんだ」というあゆみさんの台詞にはハッとさせられました。そんな彼に悠介が言う「あゆみさんは、今のままでもかわいいし、かわいい服を着たらもっとかわいいかもしれない。でも、おれは、そんな風に悩んでくれるあゆみさんが一番かわいいと思う」という台詞もとても好きです。

「赤いマチネとブルーのソワレ」泉由良さん
 
少女、百合、という言葉を連想する雰囲気で、世界観が好きでした。浴衣で京都を歩いて、老舗の喫茶店でお茶を飲んだりする。あとエミリーテンプルキュートが出てきてとても嬉しかった(笑)
 少女マチネに寄り添う蒼也は本物の少女ではないけれど、セックスに流れそうになったとき「荒っぽいこと、したくないんだ」と言ったりする。マチネの「あんまり胸大きいと、ね。ロリータのワンピースが似合わないって、分かっちゃった」というのも切ないです。そうなんだよな……

「あのひとが最後まで」霜月みつかさん
 
ゲイだけど、女装にはまったく興味がなかった明生が、すごく即物的な動機で仕方なく女装をはじめるというのが新鮮でした。ムダ毛を剃っていなくて泰斗に「お前、娘になる気あるのか?」と言われたり、ただ女物の服を着て、マニュアルどおりのメイクをしただけではかわいい男の娘にはなれないくだりとか、すごく面白かった。そうこうしているうちに、目的達成のための手段でしかなかった「女装」に救われるというのもよかった。
 女でも、普通の格好の男でもなく、女装男子が好き、という泰斗の欲望が興味深いです。実際、男の娘カフェのNewtypeにはひとりで来ている男性客が結構いたんですよね……

 小説のあいだには宵待めめさんのかわいい着せ替えイラストと、なかの真実さんのエロティックなイラストが花を添えています。まさに花と蜜と女装男子……タイトル通りの一冊です。
 女装男子、男の娘、という存在の不思議についてあらためて思いを馳せてしまいました。なりたい自分になろうとして、悩んだり迷ったり化粧や洋服選びを頑張ったりする彼らに共感しつつ、女の子たちも同じなんじゃないかと思ったり。

 私は「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」という、容姿は完璧だけど性格は最悪な女装男子が、コスプレROMのために割り切って女装している美人な男子と絡んだりする話を書きました。一応頑張っていかがわしくしたつもりだったんですが、ひとりだけエロがものすごくヌルくて……ほんとうに申し訳ないです……!(土下座)
 タイトルはクールベの「世界の起源」にちなんでいます。

 EホールD-61絶対移動中さんにて今回の文学フリマで東京初売りです。大阪ではたいへん好評な売れ行きだったそうですよ〜!

参加アンソロジーのご紹介『金魚ファーラウェイ』

 今年、寄稿させていただいているアンソロジーがどれもたいへん楽しい企画ばかりだったので、一冊ずつ内容紹介っぽいことを書いていこうかと思います。既に手元に実物があるご本については、感想を書きます。

 まずは山中千瀬さんと笠木拓さんのユニット金魚ファー発行の『金魚ファーラウェイ』です。
 この本は、ネットプリントで毎月配信されていた、塗ると嘘がうまくなるリップグロス・リプリルフールの商人あきひこさんとすずこさんの往復書簡(と短歌)の紙が一冊にまとまって、さらに多彩なゲストのリプリルフールにまつわる手紙・短歌・小説・漫画・評論などなどを集めたものです。
 私はもともと千瀬さんの短歌のファンでネットプリントを読み始めたのですが、第一回に登場する芹ちゃんと菫ちゃんという二人の女の子のエピソードにうわーとなりました。思春期の女の子二人の恋、というのはどうしても悲劇的な方面へ流れがちですが、菫ちゃんはそうならないような選択をする。さまざまな事情でリプリルフールを買いにくるさまざまな客たち、そして何者ともよくわからないすずこさんとあきひこさんの関係などに惹きこまれ、毎月欠かさずコンビニのコピー機に走る日々でした。
 商いをしながら二人が訪れる不思議な街々の様子はカルヴィーノの『見えない都市』を思い出させて、そこもとても好きでした。『見えない都市』の語りが少しずつ緊張感をはらんでいくように、終盤、すずこさんがアリサさんに再会してからの展開にはどこか張り詰めた感じがあって、とくにすずこさんの最後の手紙は、二人ともいつも大丈夫でありますように、いやもちろん大丈夫なんだろうけれど、と切なく読みました。
 本にはネットプリントの後日譚とも呼べる何通かの手紙が追加されています。あきひこさんとすずこさんのやりとりではなく、彼らの顧客たちからの使用報告で、菫ちゃんのその後の顛末はとてもとても嬉しかったです。

 物語だけでなく短歌もたくさん掲載されていて、私は「半月ほど西日」という連作が大好きです。読むたびに泣いてしまいます。

あの部屋を思い出すとき金色の光あふれて燃えるカーテン(山中千瀬)
星の夜の円形劇場その中心にあやまたずありグランドピアノ(笠木拓)

 ゲストの方々の作品もそれぞれバラエティに富んでいて、リプリルフールと金魚ファーへの愛が詰まっている感じが素晴らしいです。
 私は「薔薇色の日々」という掌篇を書きました。福利厚生の一環として(?)オフィスビルの一角で売られていたリプリルフールを買った会社員の話です。

 今回の文学フリマではEホールF-02 一角さんで『金魚ファーラウェイ』が委託販売されるとのことです。
 私も春に買い逃した『二角』を買いに行くつもりでおります……!