森岡賢さんのこと

  自分の好きなものを「好きだ!!」と叫びたい欲はありあまっているものの、分かち合いたいという共有欲はあまりなくて、だからひとりで「マイナスはいいぞ」して満足だったんですが、森岡賢さんの訃報をきいて、やはり彼の素晴らしい楽曲をみんなにも聴いてもらいたい……という気持ちを抑えられなくなったので、プレゼンします。
 私の文章は読まなくていいからとにかく聴いてくれ。

 SOFT BALLETのアルバムはどれも名盤ですが『EARTH BORN』から年代順に聴いていくのが入りやすい気がします。個人的には『ドキュメント』『愛と平和』あたりがいちばん好き。





 期間限定で再結成したときの『SYMBIONT』と『MENOPAUSE』もめっちゃ聴きやすいのでそこから入るのもよいかも。



 あとminus(-)はめちゃくちゃカッコいい、2016年現在進行形のプロジェクトではいちばんに推したいカッコよさなので、切実に!! 聴いて欲しいです!!
 ミニアルバム2枚ともおすすめですが私はとくに「G」を気が狂ったようにヘビーローテーションしています。「Peepshow」にはゲストヴォーカルでJが参加してて、それもすごく良いですよ!



 以下は私の、真夜中のラブレター的なテンションの自分語りです。

 森岡賢さんをはじめて見たのは2002年のSUMMER SONICでした。SOFT BALLET再結成のとき。
 BUCK-TICKやLUNA SEA周辺を聴いていたのでもちろんSOFT BALLETも名前は知っていたけれど、気がついたときには解散していた(「PHOENIX」を演奏した回のポップジャムは奇跡的にリアルタイム視聴していた覚えがあるんだけど、当時の私は小娘すぎて自分が見ているものの凄さを理解できなかった……)。
なんとなく「ソフバは小難しそう」という思い込みでふれずに来てしまって、予備知識も予習もほとんどゼロの状態でいきなり幕張メッセにライヴを見に行きました(しかも確かこのとき私、遅刻したんだよ、同行者氏にはほんと申し訳なかった)。結果みごとにノックアウトされ、とくに森賢さんのパフォーマンスには釘付けになって、帰りの京葉線の話題はえんえん森賢さんのクネクネだった(笑)
 そこから後追いで音源を聴いて「なんで今までこれを知らずに生きてきたんだ……!!」と激しく後悔しつつ、新曲の「メルヘンダイバー」のPVに大興奮して毎日リピート、ライヴも行けるだけ行きました。大学5年生で卒業論文やらなきゃいけなくて就職先もなくてお先真っ暗なころだったけど、SOFT BALLETのライヴはほんとに楽しかったなあ。あんなに無我夢中で踊りまくって楽しかったライヴはほかにない、とこれは今でも思います。「BODY TO BODY」で森賢さんが鞭を手におどりでてきたオープニングほんと忘れられない。

 ソロは一度だけ、二子玉川のPink Noiseに行ったのが忘れがたいです。オールナイトイベントで、明け方ごろに森賢さんがフロアをうろうろ歩いてて、近っ! ってビックリしたんだよな。
 あとジェッジジョンソンとの対バンも見に行きました。小さいハコで、森賢さんド迫力で圧倒されました。書きかけで放ったらかしてあった当時のメモを発掘したので、ここに貼り付けておきます。

 06.05.03 下北沢のCLUB Queでザ・ジェッジジョンソンVS森岡賢のライヴでした。森賢さんを生で見るのはPink Noiseのオールナイトイベント以来、2年ぶりぐらいだったのですが……前に見たときよりもずっと元気そうで良かったです(笑)というか凄かった! だいたい衣装からして破廉恥だったし……半袖短パンの黒いぴたっとした服に全身アミアミ、で帽子。くねくねダンスも復活していました。もうほんと派手で、オーラも出ていて圧倒されましたよ!
 バンドも、ゲストヴォーカルのおねえさんまで連れてきていてゴージャスでした。

 そんなのももう10年くらい前の話か……SOFT BALLETの三人では遠藤遼一さんにいちばん必死で、ENDSのライヴに最後に行ったのが2009年ぐらいだったのかな、とにかくしばらくその界隈とはちょっと縁遠かった。ピコピコした音楽はむしろよく聴いてたんだけど、accessとか、あるいはFLOPPYとかそっちの方面にいってた。
 いろいろあってそのへんからも少し距離を置いて、久しぶりに森賢さんを生で見たのがちょうど一年くらい前、2015年6月28日のLUNATIC FEST.です。一日目はエクスタシー・サミット、二日目はLSBを思い出す豪華なラインナップでしたが、私は二日目だけの参戦でした。続けて見たminus(-)とKA.F.KAは最高にカッコよかった、森賢さんはスケスケでクネクネではなくなっていて、アリスアウアアっぽい(未確認)フリルのブラウスがすごく似合ってました。ちょっと見ないうちにめちゃめちゃお美しくなられて……!! ってびっくりした。相変わらず予習してなくて一曲も知らなかったけど、そんなことまったく関係なく楽しかったです。
 それがきっかけで今年の2月のminus(-)のリキッドルームに行きました。もうほんとに楽しくて、その日告知された8月13日の赤坂ブリッツも迷わず取りました。

 だからちょっと前に森賢さんのめっちゃカッコいいところを見たばっかり、という感覚だし、かつちょっと先のライヴでまたすぐ見られることを疑ってなかった。
 すっごく楽しみにしてました。
 好きな作家や好きなミュージシャンがいなくなって、通ったお店もなくなって、私が好きだったカルチャーや世界はどんどん縮小していくように思える。そんなことは時間が流れている以上あたりまえなのだから、新しい文化や価値観にふれてアップデートしなければ、と頭ではわかっていてもうまくできない。日に日に息苦しくなるようななかで、十代のころに好きだったものとは違う新しいもので「最高にカッコいい、最高に好き!!」と心底思わせてくれる、「いいぞ」って言いまくれる数少ない存在のひとつがminus(-)でした。
 森岡賢さんは、昔よく聴いた伝説的なユニットのキーボーディストという以上に、2016年現在とても好きで、これからを追うのが楽しみだったミュージシャンのひとりでした。

 こうして書いていても今はまだぜんぜん実感がなくて、よくわからないけど冗談なんじゃないの? という気持ちと、突然泣きたくなるくらいの寂しさが交互に襲ってきます。

 ご冥福をお祈りいたします。
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