参加アンソロジーのご紹介『花と蜜と女装男子』

 先日、霜月みつかさんとごはんをご一緒して『花と蜜と女装男子』を頂いてきました。絶対移動中さんと1103号室。さん共同主催の女装男子本第三弾です。ううっ表紙からしてかわいいぜ……!
 早速、にやにやしながら読みました。一読者としてとても楽しみにしていたので!

「かわいいのは女の子だけじゃない」伊藤鳥子さん
 タイトルのとおり、とにかくあゆみさんがかわいいです。付き合っている彼氏・悠介の仲良しの女の子に嫉妬したり、いまいち素直になりきれないところがほんとうにかわいい。ベッドシーンがけっこう濃厚でがっつりエロいんですが(とてもとても楽しく読みました)下品な意味でのいやらしさみたいなものがなくて、やっぱりかわいい感じがする。
 かわいい服、女の子の服を着たいけれど、「女の子になりたいわけじゃないんだ」というあゆみさんの台詞にはハッとさせられました。そんな彼に悠介が言う「あゆみさんは、今のままでもかわいいし、かわいい服を着たらもっとかわいいかもしれない。でも、おれは、そんな風に悩んでくれるあゆみさんが一番かわいいと思う」という台詞もとても好きです。

「赤いマチネとブルーのソワレ」泉由良さん
 
少女、百合、という言葉を連想する雰囲気で、世界観が好きでした。浴衣で京都を歩いて、老舗の喫茶店でお茶を飲んだりする。あとエミリーテンプルキュートが出てきてとても嬉しかった(笑)
 少女マチネに寄り添う蒼也は本物の少女ではないけれど、セックスに流れそうになったとき「荒っぽいこと、したくないんだ」と言ったりする。マチネの「あんまり胸大きいと、ね。ロリータのワンピースが似合わないって、分かっちゃった」というのも切ないです。そうなんだよな……

「あのひとが最後まで」霜月みつかさん
 
ゲイだけど、女装にはまったく興味がなかった明生が、すごく即物的な動機で仕方なく女装をはじめるというのが新鮮でした。ムダ毛を剃っていなくて泰斗に「お前、娘になる気あるのか?」と言われたり、ただ女物の服を着て、マニュアルどおりのメイクをしただけではかわいい男の娘にはなれないくだりとか、すごく面白かった。そうこうしているうちに、目的達成のための手段でしかなかった「女装」に救われるというのもよかった。
 女でも、普通の格好の男でもなく、女装男子が好き、という泰斗の欲望が興味深いです。実際、男の娘カフェのNewtypeにはひとりで来ている男性客が結構いたんですよね……

 小説のあいだには宵待めめさんのかわいい着せ替えイラストと、なかの真実さんのエロティックなイラストが花を添えています。まさに花と蜜と女装男子……タイトル通りの一冊です。
 女装男子、男の娘、という存在の不思議についてあらためて思いを馳せてしまいました。なりたい自分になろうとして、悩んだり迷ったり化粧や洋服選びを頑張ったりする彼らに共感しつつ、女の子たちも同じなんじゃないかと思ったり。

 私は「オリジン・オブ・ザ・フェイク・ワールド」という、容姿は完璧だけど性格は最悪な女装男子が、コスプレROMのために割り切って女装している美人な男子と絡んだりする話を書きました。一応頑張っていかがわしくしたつもりだったんですが、ひとりだけエロがものすごくヌルくて……ほんとうに申し訳ないです……!(土下座)
 タイトルはクールベの「世界の起源」にちなんでいます。

 EホールD-61絶対移動中さんにて今回の文学フリマで東京初売りです。大阪ではたいへん好評な売れ行きだったそうですよ〜!

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