第25回文学フリマ東京 ありがとうございました

 あっという間に12月になってしまいました。文学フリマ東京、お疲れさまでした!
 朝は土砂降りでしたが午後にはお天気も回復し、新刊『Wedding Invitation』もおかげさまでたくさんのかたに手にとっていただけました。遊びに来てくださったみなさま、ほんとうにありがとうございます!
 その場で売り子を頼まれてくれたういのさんにもとても感謝しています……助かりました……!

 

ポスター

 

卓上のようす

 

 入手した本はこちら。

 

『青ではじまる』(雨宮真由)
『俺にとっての/絹子さん』(雨宮真由)
『陰の薄いあのコの影になれたら』(郁菱万)
『花を捧ぐ』(磯崎愛)
『かみばん べんぜんかん』(うさうらら編)
『海柘榴』(花うさぎ)
『Solid Situation Poems』(稀人舎)
『万年詩』(そらしといろ)
『針葉樹林の怪獣』(沙世子)
『ヴァーチャル・リアリティー・ボックス』(穂崎円)
『見えない聞こえない曲がりにくい』(わたりさえこ/津和野ヒトリ)
(順不同・敬称略)

 

 お隣のブースだった「万妖衆」さんは発行物(印刷屋さんで印刷された、わりと薄くない本)を気前よくすべて無料配布しておられ、私も一冊頂いてしまいました。それが『陰の薄いあのコの影になれたら』です。


 イベント後はコミティアに参加されていたあずみさんと合流し、表参道のレストランで打ち上げしました。何から何まで楽しい一日だった……
『Wedding Invitation』の次回の頒布は年明け、文学フリマ京都を予定しています。【冬青】さまのブースです。ちゃっかりついて行くことにしたので私もそのへんにいると思います(笑)
 また、冬青さまのBOOTHで通販も受付中です。『消滅可能性私達』も合わせてお求めになれるので、なかなかイベントに足を運ぶのが難しい……というかたはぜひご利用いただければと思います。年内は15日でいったん窓口が閉まるとのことです。
(痛覚もBOOTHを準備中なのでオープンしたらお知らせいたします、少々お待ちくださいませ)

 

『Wedding Invitation』をつくって、私の関心はやはり「女のひとが、女のひとと生きてゆくこと」にあり、書きたいこともそれなのだなあ、とあらためて思いました。なんだろう、私自身に多少アセクシャル寄りなところがあり、性愛全般への指向が弱いせいか「同性愛もの」とも言い切れなくて、「友愛で結ばれること」と言ったほうが正確なのかも知れないのだけれど、「友愛」ならば性別はそれこそなんでもよいわけで、しかし実際にお話をつくって作文するとなると女のひとを書きたくなり、書いてしまいます。
 今回の合同誌でも、私が書いた話は「女の子と女の子が」というよりは「友だちどうし」、恋愛というよりは友愛に近い絆のふたりが結婚するとしたら……というほうに重心がかかっていると思いますが、じゃあ女の子でなくても成立する話なのか、と問われるとやはり、うーん……という感じです。

 

 さらっと書きましたが「私はアセクシャル(の傾向がある)」ということは二十歳ぐらいのころから気づいていたにもかかわらず、最近ようやく親しいひとに「アセクシャル」という言葉を使って話せるようになり(そして「えっ知ってたけど……」と言われる……)こうして文字にして書くのは初めてではないかと思います。
 もっとはやくこのあたりのことを受け容れられていたら、人生がまた違ったのだろうか、などとつい思ってしまうのだけれど、こういうときにいつも戻ってしまう分岐点に現在進行形で立っていた、その当時にはできなかったことで、だからこそ現在があるのですよね。わかってはいる。
 わかっているけれど、二十歳の私に「アセクシャル」という概念を教えてくれたひとには、あまりにも聞く耳を持てなかったことを謝りたい、とずっと思っています。ほんとうに申し訳なく思う。

 

 ……などと言いつつ、次に作る個人誌は男のひとの話が多めかも知れません。いやそんなことないか? 女の子も出てくるかな? 『ロータス』にも名前だけ登場していたCanaanというヴィジュアル系バンドに纏わる短篇集を予定しています。
 これをまとめ終わるとほんとうに現時点の自分の決算が終わって、まっさらになるはずなので、頑張りたい。

第25回文学フリマ東京 ブースNo.と販売物

 というわけで(前記事をご参照ください)、文学フリマ東京に出店いたします。

 

2017年11月23日(木祝) 11:00〜17:00
東京流通センター 第二展示場
(東京モノレール 流通センター駅 徒歩1分)
B-57「痛覚+Wilhelmina」
イベントの詳細はこちらから。


 当日の販売物は以下のとおりです。おしながきもございます。

 

『Wedding Invitation』 オンデマンド/レースカバー付文庫版/142頁 800円
 
Whilhelmina
『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
 
痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

 

冬青さま委託
『消滅可能性私達』 オンデマンド/文庫版/68頁 300円

 

 全体的に「女の子」感の強いラインナップでお送りします。
 個性的な姫君たちが活躍する『姫君の匣』もおかげさまで順調に在庫が減ってきております。強い・かっこいい女の子が好き! 見たい! というかたにはこちらがおすすめ。
 あずみさんの『消滅可能性私達』は、百合詞華集『きみとダンスを』にご寄稿いただいた表題作をはじめ、「居場所」への愛着や嫌悪、違和感などが入り混じって切実な短篇集です。今回の新刊とあわせて読んでいただきたい一冊です。
 なお『ロータス』はコミティアで冬青さまに委託していただいてます! いつもありがとうございます……

 

 また、『Wedding Invitation』をお買い上げくださったかたに、大阪でお配りしたあずみさんと私のお手紙ペーパーを先着でお付けいたします。
 ペーパー以上小冊子未満の無料配布も予定しています。『Wedding Invitation』に書いた話のスピンオフというか、作中にチラッと名前が出てくるひとたちの短い何かです。話じたいは完全に独立しているので、無料配布だけでも遠慮なく貰ってやってください。

 

 そのほか、こちらにも書かせていただいています。

 

『萬解』 レトロ印刷/変型2色刷/60頁/600円
『共有結晶別冊 二次創作短歌非公式ガイドブック』 オフセット/A5/100頁 600円
『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円
『YAMINABE Vol.1』 オフセット/A5/48頁 300円
BL短歌合同誌実行委員会 G-11

 

『庫内灯 3』 オフセット/A5/146頁 1500円
庫内灯 G-12


『萬解』は短詩の「読み」をテーマにした共有結晶の新刊です!
 俳句百合読み鑑賞バトルに提出した「人形のだれにも抱かれ草の花(大木あまり)」「戯れの遺書は螢のことばかり(小泉八重子)」の鑑賞文の再録のほか、まえがきを書かせていただきました。そうそう、あずみさんも短歌の鑑賞文を書いてくださってますよ〜!
 レトロ印刷さんの変型サイズ・2色刷りです。めちゃめちゃかっこいい本に仕上がっているはずなので私も早く実物を見たい……!
『庫内灯 3』はテーマが「越境」とのことで、「天使魚もいさかひすなりさびしくて(水原秋桜子)」のGL読み鑑賞文を書かせていただきました。こちらも海外舞台俳句があったりエッセイが充実している気配だったりでものすごく楽しみです!

 

 春先からいろいろぽつぽつ書いていたものたちが、このイベントでいっきに紙媒体に載るのでちょっと達成感があります。意識したわけではないんですが、今年は書いているものが総じて女の子で百合なのも個人的にはとても嬉しい(笑)

 

 予報だとお天気がちょっと微妙な感じですが、冷え込みはそこまでではない……といいな……。
 もろもろ取り揃えてお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

『Wedding Invitation』のこと

 まだ一応11月だというのに真冬の寒さでつらい……20年もので稼動がヤバいエアコンをだましだまし動かして、なんとか暖を取りつつこれを書いています。大家さんに相談したらたいそう同情されて新品に替えてもらえることになったので、週末にはぬくぬくしながらイベントの余韻に浸れると思うのですが。

 しかしその前にイベントだ!

 

 まずは新刊についてのお知らせです。
 文学フリマ大阪、そして福岡のCollage Event Adeの折本フェア(とネットプリント)で配布したお手紙ペーパーでお知らせしていた、あずみさんとの合同誌『Wedding Invitation』を発行します!
 コンセプトは「女の子と女の子が結婚する世界」です。

 


 シェアメイトどうしで結婚する「ついの棲みか」(柳川麻衣)と腐女子ふたりが結婚する「風船と鍵穴」(あずみ)、社会人百合の二本立てでお送りします。本文のサンプルはこちらから。
 あずみさんが腐女子百合を書いてくださったのがほんとうに嬉しくて……!「腐女子」はそれ自体がひとつのセクシュアリティのような部分があるし、腐女子どうしの関係はときとして「推しCP」たちのそれと同じくらい濃密で複雑だよなあ……とずっと思っているのですが、その説明しがたい感情の交流をあずみさんがていねいに掬いあげて美味しく仕上げてくださっています。このお話を本というかたちにして手渡せることが最高に幸せ……
 私のほうは淡々とした話なんですが、地味に初めて書けたことが結構ある気がしています。性欲に関することとか、たぶん今まででいちばん素直に書いています(『ロータス』まではかなり虚勢を張っていました)。
 ブックデザインもあずみさんとお話しつつ、レースカバーに挑戦したり表紙にファンタスゴールドを使ったり、やりたい放題して楽しかったです。自分では思いつかないアイディアが多くて、とても勉強になりました……!

 とにかく楽しくつくったので少しでも楽しんでいただけたら、と思います。

 

 11月23日の第25回文学フリマ東京とコミティア122で同時に頒布開始いたします。
 コミティアの頒布ブースはW33a【冬青】さまです。あずみさんがいらっしゃいます。
 文学フリマはB-57【痛覚+Wilhelmina】で私が担当します。
 長くなったので当日の販売物については記事をわけて明日また……よろしくお願いいたします〜!

第5回文学フリマ大阪 ありがとうございました

 なんとなく半袖でも過ごせるくらいからいっきに十二月並みまで気温が下がって冬になり、一週間ぐらい雨がつづいてとどめに超大型台風……みなさま無事にお過ごしでしょうか。東京は台風一過で久々に気持ちよく晴れていますが、日曜日の夜には私の住んでいる地域に避難準備警報が出たりして戦々恐々でした。幸い何事もなく月曜の朝を迎え、とくに自宅待機なども命じられず出勤もまったくいつもどおりで……なんのための台風……いやありがたいことなんですが……

 

 そういえば文学フリマ大阪も天候が心配な三連休でしたが、蓋をあけてみればイベント当日は台風一過の晴天でほんとうによかったですね、としれっとひと月以上前の話をする。お、お疲れさまでした!
 私は日帰りだったのですが、まさかの当日の朝、乗るつもりでいた新幹線の発車時刻10分前に目が覚めるという大失態をやらかしまして……思いっきり遅刻してしまい……。もうほんとうにご迷惑をおかけしました、申し訳ありませんでした……。
 そんなこんなでいつも以上にワーワーしていたらあっという間に終わってしまった一日でしたが、普段なかなかお会いできないかたともお話できてとても楽しかったです。ありがとうございました!

 

第5回文フリ大阪ブース

 

 なお、天使アンソロジー『el』がこのイベントで完売しました。
 寄稿してくださったあずみさんの目の前で最後の一冊を送り出せてちょっと達成感がありました。冬青さんのほうでも、お邪魔させてもらった『THERE'S A VISION』が頒布終了になって感慨深かった……。
 お手にとってくださったかたに少しでも楽しんでいただければ幸いです。

 

 お買い物メモ。

 

『静寂のための』(旭ミコ)
『追奏リリカ』(あずみ)
『禿』(孤伏澤つたゐ)
『しろい庭のむすめ 中』(孤伏澤つたゐ)
『eye』(瀬戸夏子)
『同志社短歌四号』(同志社大学短歌会)
『ノスタルジア』(実駒)
『権謀術数−おとしまえ−』(壬生キヨム)

(順不同・敬称略)


 お隣の冬青さんと合同でお配りしたお手紙ペーパーが当ブースの目玉でした。
 このペーパー、あずみさんが企画してくださって、仕様などはざっくり申し合わせていたものの、文面についてはほとんど打ち合わせなしでそれぞれ作成、私たちもイベント当日はじめてお互いのお手紙を読んだのですが……あずみさんのお手紙が往信、私の手紙が返信の往復書簡になっていてびっくりしました……。すごい、私たち!(笑)
 あずみさんは私がワーワー言うのをやさしく聞いてくださるので、つい恥ずかしいくらいにいつもいろいろ打ち明けてしまって、今回もそんな感じで思いの丈をぶつけてしまったんですけれども、あずみさんからいただいたお手紙もすごく愛にあふれていて……こんなラブレターの応酬におつきあいくださったみなさま、ほんとうにありがとうございます。
 このお手紙の内容は後日また何らかのかたちで公開できると思いますので、大阪まで来られなかったかたも、来てたけどもらい損ねたかたも動向をチェックしていていただけると……!

 

お手紙

 

 そしてお手紙で告知していたとおり「女の子と女の子が結婚する世界」というコンセプトで11月23日にあずみさんと二人誌を発行します。COMITIA122・第25回文学フリマ東京の二会場での同時頒布です。
 タイトルやスペックなど詳細はおいおいお知らせしてゆきます。現在まだつくっている最中ですが、あずみさんのお話はほんとうにみんなに読んでもらいたいし、私もかなり頑張って書いたのでよろしくお願いいたします。はやく本のかたちでこの世に存在させたい……!

 

 BUCK-TICK30周年の野外ライヴがあったり、推しの誕生日を祝って平日の昼間からアマン東京でブラックアフタヌーンティーしたりもしてましたが、そんなわけで大阪から帰ってきてからは概ね作文していて、気がついたら10月も終わろうとしています……どういうことなの……

第5回文学フリマ大阪 ブースNo.と販売物

 イベントのお知らせをしようと思ってこういうブログの告知記事とか昔はよく作っていたインフォメーションペーパーとかを見返すと、近況報告的な雑談でほぼ毎回RYUICHIか河村隆一の話をしていてエッ私ちょっとRKのこと好きすぎでは……? と自分でも引くんですが、最近も概ねそんな感じというか、河村隆一さん(と葉山くん)のために平日に広島遠征したり、20年間ふつうに好きだったINORANに突如気がくるって経済的にも時間的にも一切余裕がないのに高速バスで長野まで往復したり、LUNA SEAに対して過去最高レベルに強火なうちに2017年も9月の半ばです。

 第5回文学フリマ大阪に出ます! 第1回に参加して以来4年ぶりの大阪です、よろしくお願いします!

 

2017年9月18日(月祝) 11:00〜17:00

堺市産業振興センター イベントホール

(地下鉄御堂筋線 なかもず駅・南海高野線 中百舌鳥駅 徒歩3分)

A-4「痛覚+Wilhelmina」

イベントの詳細はこちらから。

 

 当日の販売物は以下のとおりです。おしながきもどうぞ。

 

Whilhelmina

『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円

『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円

 

痛覚

『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 1500円

 

 天使アンソロジー『el』は残部僅少です。

 すごくかっこいい天使たちがいます!  なくならないうちにぜひ!

 

 また、共有結晶の本誌およびメンバーの発行物を委託します。

 5月発行の最新刊『二次創作短歌 非公式ガイドブック』もお預かりしますので、まだお持ちでないかたはこの機会に現物をお手にとってください〜!

 『乱歩タイポ』以外の既刊には私もおじゃましております、短歌を小説に解凍したりお手紙書いたり4コマ漫画の原作したりやりたい放題です。

 

『共有結晶別冊 二次創作短歌非公式ガイドブック』 オフセット/A5/100頁 600円

『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円

『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円

『YAMINABE Vol.1』 オフセット/A5/48頁 300円

『乱歩タイポ』 300円

 

 あるかも〜と毎回カタログに書いてしまいつつ(未来の自分への期待を捨てきれない)またも新刊を持ってゆけず……申し訳ありません……。個人誌の新作は年内はちょっと厳しいかもしれない……

 

 新刊はないのですが、大阪限定で特別なフライヤーを配布いたします。

 おとなりのA-3【冬青】さまで配布されるフライヤーと対になっている仕掛けなので、ぜひ合わせてお持ちいただければと思います。

 個人的にははじめてフライヤーを印刷屋さんにお願いしたのでとてもドキドキしている……でもしまやさんだからきっときれいに仕上げてくださっているに違いない……いつもご迷惑おかけします、ほんとうにありがとうございます……。

 遊び呆けていたらあっというまに秋になりつつあって震えていますが、夏のあいだもちょこちょこ作文はしていたはずなので、これから徐々にかたちになっていくと思いたい。秋から冬に向けて動いている幾つかの企画のうちの、かなり大きなひとつのお知らせをこのフライヤーに仕込んでいますので、どうかお見逃しなく。

 

 あと、ツイッターで遊んでいただいて楽しかった「あなたをイメージして小説の書き出し」を字スケブでやりたいな〜などと思っております、ので、書かせてやってもいいよ! というかたはお声がけください。

 好きなものとか、単語三つぐらいいただけたらそれを元に私が好き勝手に妄想します。推しキャラを教えていただければ夢小説仕様にもいたします(笑)

 

 台風の影響だけとても心配なのですが……うまいこと逸れたりとかしてあんまり荒れないでくれたらいいなあ。私、比較的晴れ女なのでなんとかなるといい……頑張ります……!

生活

 今度こそ理想に近い物件を探しあてたのではないか、と思っていた四度目に入居予定の部屋は洗濯機置き場がよくなかった。置き場所がベランダなのは構わない。居候中の実家も洗濯機は屋外だし、洗濯機カバーという便利グッズがあることも知ったし、だいたい買ったのは容量が5キロもない安物だから、二年保てば御の字だ。だから洗濯機の劣化がはやいとかはもうこの際気にしないのだけれど、排水については気にせざるを得ない。排水口とおぼしき穴が見あたらないことには薄々気づいていたのだが、給水用の蛇口がある以上はどこかにはあって、業者さんが設置するときにうまいことやってくれるだろう、と楽観していた。実際、業者さんは排水口を見つけてくれた。それは隣のベランダにあった。排水ホースはベランダの溝に向かって放り出されている状態だ。

 

 思えばこれまでの物件でも、洗濯機の排水ホースを順調に設置できたことはなかったのだった。いちばん最初のワンルームではエルボがなかったかホースのサイズが合わなかったかで「まあたぶん大丈夫でしょう」と排水口に直接ホースをぎゅうぎゅう押し込まれ、何しろひとりで暮らすのが初めてなのでめちゃくちゃ不安だった(大丈夫だった)。次のファミリータイプの2DK(私が暮らしたなかで今のところ最もスペックの高い部屋)もエルボが使えず、電気屋さんを呼んでホースを排水口にビニールテープで固定してもらった。やはり不安だった(大丈夫だった)。その次の木造アパートも、経緯は忘れたがなんだかうまくいかず適当にホースを排水口に直で突っ込んでいたような気がする(さすがに慣れてそれほど心配もしなかったし、大丈夫だった)。
 そういうわけで洗濯機の排水にはこれまでも散々ハラハラさせられてきたのに、またしても確認を怠ってしまったことを後悔しつつ、しかし今回の心配は今までの比ではない。だってお隣へ洗濯排水を垂れ流しって、そんなのいくらベランダでもありなのか……? せめて逆で、うちのベランダに隣家の汚水が流れてくるほうがまだ幾らかマシだった。排水口は私の管理下だ。
そうでなくても狭い部屋に溢れる本の収納とか、もはやプランがありすぎて混乱するインターネット及び衛星放送の回線の手配とか、解決しなければならないことは幾つもあるのだが、それらすべてを凌駕して洗濯排水問題は私の脳内を占拠した。不安で居ても立ってもいられず「洗濯機 ベランダ 排水口 隣」などで検索しまくったが、余計に不安になるような情報しか得られなかった。ああベランダで洪水が起きてしまったらどうしよう。

 

 そんなことで頭がいっぱいでひとの話もうわの空で聞き流しながら仕事をして、昼休み、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が衆院法務委員会で強行採決されたというニュースを見た。安保法案につづいてまた強行採決。たぶん異常なことで、たぶんおそろしいことだ。この国の体制は民主主義、立憲主義のはずだったのに、力ずくでどんどん物事がすすんでしまう。きっとこういう流れを、市民が「またか……」と思いながらもどうすることもできずにいるうちに、ナチ政権はホロコーストを引き起こしていたのだろうな、とすら思う。
 憲法も変わってしまうのかも知れない。
 日本国憲法について教わったのは小学六年生のとき、中学受験のために通っていた塾で習った。イデオロギーではなく入試に勝つ手段として、前文と一条と九条と十四条と二十五条を暗記させられた。憲法を改正するための手続きについてもこのとき学んだ。幾重にも厳重に鍵がかけられた金庫のような、これだけの守りがあるならそう簡単には改悪できまい、少なくとも私が生きているあいだは大丈夫だ、と思ったが、同時に、ここまでしないと危ないものなのか、という不安も過ぎった。
 憲法が変わってしまったらその時こそこの国から逃げるときだ。そういうことも、この十年くらいは思っていた。

 

「その時」はおそらく近づきつつある。
 けれど私は、新しい部屋を契約して、洗濯機の排水のことで頭がいっぱいなのだった。目下、洗濯を無事にできるかどうか以外のことを、考えられずにいる。

コミティア120&第24回 文学フリマ東京 ありがとうございました

 コミティア&文学フリマ東京の春のイベント二連戦、お疲れさまでした!
 新刊どころかペーパーすら用意できなかったにもかかわらず、ブースまで足を運んでくださったみなさま、ほんとうにありがとうございます。
 おかげさまでビートルズトリビュート本『I Say Hello』は在庫がゼロになりましたので頒布終了とさせていただきます。また、天使アンソロジー『el』も残部がかなり僅少のため、今後はイベント売り、もしくは自家通販でお求めいただければと思います。

 

当日のブース1 当日のブース2

 

 初お披露目の『ロータス』新装版も予想以上にお手にとっていただけて嬉しかったです。さすがにもう行き渡るところには行き渡ったのでは……という思いや、旧版よりだいぶ頒価が上がってしまった心苦しさもあってちょっと不安だったのですが、まだ必要としてくださるかたがいらっしゃって、もう少し飛距離を伸ばせるのかな、とホッとしました。
 時間がかかってしまって申し訳ないのですが『ロータス』は今まで以上に手軽にアクセスできるように窓口を整備したいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 今回のお買い物は以下です(コミティアぶんと文学フリマぶんをまとめました)。

 

『「海へ行こう」と君が言う』(市井一佳)
『そらごと申す大納言』(唐橋史)
『魚たちのH2O』(孤伏澤つたゐ)
『dress』(霜月みつか)
『DYKES ON BIKES』(Miu Kayama)
『二人になるまで一人旅』(そらし といろ)
『稀人社通信 改』(稀人社)
『小禽豆本』(海猫風信社)
『少年電氣街通信』(海猫風信社)
『aneimo』(隙間社)
『バナナブレッドの午後 1970-80's少女マンガ逍遥』(SCOPEBOY BOOKS)

(順不同・敬称略)

 

 このほか、cielisteさんのはまむしーる、夜間飛行惑星さんの紙ものセットなどかわいいグッズを買ったり、共有結晶別冊『二次創作短歌非公式ガイドブック』刊行記念で行われた二次創作短詩ポスカラリーのカードを集めたり、欲しかったものはおおむね手に入れてホクホクです。
 普段はなかなかお会いできないかたともお話できたし、打ち上げも楽しかったです! 海外スラッシュのテンプレめちゃくちゃ面白かった……ジャンルがジャンルなのでここには具体的なことを何ひとつ書けないけど……。
次回は9月の文学フリマ大阪に出ます。抽選と聞いてヒヤヒヤしたのですが、ありがたいことにブースを頂けたので……今度こそ何か新しいものを用意して臨みたいです……!

 

 ちなみに京都から戻ってから何をしていたかというと、宝塚歌劇団花組の「雪華抄/金色の砂漠」を観劇し、衝動的にチケットを取った河村隆一さんと葉山くんの「人間失格」をフィーチャーしたライヴに会社をサボって駆けつけ、念願だった河村隆一さんのNo,Mic One Speaker チャーチツアーに行き、そんなこんなで魂が幻想のアラブへさまよいでたり天上へ召されそうになったりであまり現世に留まっておりませんでした。要するに遊んでいたんですけれども。ほんとうに申し訳ありません……!
 加えて5月の連休が終わってからやるつもりだった部屋探しをうっかり前倒しで始めてしまい、4月は不動産屋さん通いに費やし、4月末になんとか決まって目下引っ越しの準備に追われています。
 物理的には大した作業もなく楽勝なはずなんですが、2年前に実家に退避してきたときも、さらにその前に二人暮らしが破綻して無理やりひとり暮らしを再開したときも、今よりずっと切羽詰まっていたせいか身辺がまったく片付いておらず、とにかく段ボールに詰め込んでそのままにしていた記憶と記録の蓋をようやく開けて、あらためて向き合って整理する……というような状況でなかなか心が休まりません……。
 ともあれ5月中には完全に移って新生活をスタートさせる気持ちです。はやく別居していた小説や音楽と再会したい……そして今度こそ狭くても快適な作文環境を構築する……!

コミティア120&第24回 文学フリマ東京 ブースNo.と販売物

 ぼやぼやしているうちに黄金週間も始まってしまいました。もう毎年同じことしか言えない……というかこれ以外の書き出しで告知をしたことがない……すみません……
 連休締めくくりの土日、6日・7日と二日続けてイベント参加いたします!

 

 2017年5月6日(土) 11:00〜16:00
 東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
 東5 い39a「痛覚+Wilhelmina」
  イベントの詳細はこちらから。

 

 2017年5月7日(日) 11:00〜17:00
 東京流通センター 第二展示場
(東京モノレール 流通センター駅 徒歩1分)
 C-11「痛覚+Wilhelmina
 イベントの詳細はこちらから

 

 当日の販売物は以下のとおりです。おしながきはこちらです。

 

Whilhelmina 
 『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
 『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
 『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円
 
痛覚
 『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 1500円

 

 コピー誌でもよいから新作を用意したいという気持ちはものすごくあったのですが、すみません、今回も既刊のみのラインナップです。
 ただ『ロータス』はこの春のイベントから新装版になります。カバーや表紙のデザインはこれまで(2〜5刷)と同じですが、表紙を色上質のレモンから白茶に、そして本文用紙をスカーレットノベルという赤みがある薄い紙に変更しています。全体的にかなりスッキリと薄くなり、とても捲りやすくなりました! 頒価が1500円と上がってしまって心苦しいのですが、そのぶん造本はとても綺麗になりましたので、既にお持ちのかたもぜひ捲りにいらしてほしいです(笑)
 内容はあとがきを追補している以外に追加はありませんし、本文もほとんどそのままです。あっ、ただ、もしお手元に1刷だけがあるというかたがおられたらどうか当ブースまでお持ちください。新装版とお取替えいたします。1刷は誤変換の嵐でほんとうにつらいので回収させていただきたい……

 

 また、7日の文学フリマでは以下のご本にもおじゃましています。

 

『共有結晶別冊 二次創作短歌非公式ガイドブック』 オフセット/A5/100頁 600円
『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円
『YAMINABE Vol.1』 オフセット/A5/48頁 300円
 BL短歌合同誌実行委員会 G-24

 

 今回出したかったもろもろは秋以降に……文学フリマ大阪も申込みはしましたので……!
 近況とかこの体たらくの言い訳とかここでしそこねている告知とかいろいろお伝えしたいことはあるのですが、それはイベント後にまた改めてだらだら書きますね。もしくは明日と明後日ブースにいらしてくださったらそこでペラペラ喋ります(笑)
 お会いできるのを楽しみにしております!

第1回文学フリマ京都 ありがとうございました

 文学フリマ京都、お疲れさまでした!
 第一回ということでしたが、かなりの盛況だったのではないかと……比較的入り口近くにブースを配置していただいたせいもあって、常になんとなく人が通っていた気がします。会場のみやこめっせは平安神宮のすぐそばで周辺には京都市美術館などもあり、アクセスしやすい良い場所だったせいもあるのかな? あと地下一階はとても暖かくて快適でした(笑)
 おかげさまで痛覚+Wilhelminaブースにもたくさんのかたが遊びに来てくださり、久々に『姫君の匣』をはじめ委託物や一部の本が持込み分完売となってしまって……ありがとうございました! せっかく訪ねてくださったのにお目当ての品をお渡しできなかったかたには本当に申し訳ありませんでした……搬入数をそこまで抑えたわけでもないのですが、読みが甘かった…

 

当日のブース

 

 規模が大きすぎも小さすぎもせず、買う側としても見てまわりやすかった気がします。
 この数年、イベントで「ミニコミは一期一会!」とばかりに買って積んで、を繰り返していたせいか(ほんとうにごめんなさい)、自分の手もとに何があるのかが把握しきれなくなってきたので、備忘のためにお買い物したご本をリストアップしておきます。

 

『Lightning Girl』(奈津子)
『エスペランサ』(藤村団子)
『さまよえるベガ・君は』(正井)
『しろい庭のむすめ 上』(孤伏澤つたゐ)
『タイドプール』(孤伏澤つたゐ)
『率 幕間』(率)
『その人の名は反逆と云ひます』(かかり真魚)
『きみは暴君』(かかり真魚)
『エフ氏』(スタニスワフ・レム/エディション・プヒプヒ)
『ギリシア倫理の一問題』(ジョン・アディントン・シモンズ/エディション・プヒプヒ)

(順不同・敬称略)

 

 幸先のよいスタートを切ることができてほんとうによかったです。次のイベント参加は5月、文学フリマ東京は申込み済で、コミティアのほうにも出たいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 なお『姫君の匣』については架空ストアさまで通販受付中ですので、よろしければご利用ください。『el』は私の手もとに在庫がありますので、ご連絡いただければ自家通販で対応させていただきます。
 また『ロータス』は新装版を準備中です。3月までには詳細をお知らせできるかと思います。

 

 撤収後は細見美術館に立ち寄って鈴木其一を眺め、カフェでお茶してから庫内灯さんの俳句と遊ぶイベントに参加しました。
 私は俳句カードゲームと、市井の句かプロ(?)俳人の句かを当てるクイズをやったのですが、どっちも面白かった!
 カードゲームは、俳句が書かれた手札を配られ、プレイヤーが順番に出すお題(「エロい俳句」「青春な俳句」など)に合うと思われる句のカードを手札からいっせいに場に出し、さらに自分以外が出したなかでいちばんイイネ! と思った句に投票、その票数でコマをすすめる……というルールのすごろくだったのですが、みんななかなか先に進めなかったりして盛り上がりました。すぐ振り出しに戻ってしまうすごろくだった(笑)
 俳句から作者がプロ・アマどっちかを見分けるのはもうぜんぜんわからなくて、当たらなかったんですが、見分けられないものだなあ……と思ったらなぜか気が楽になりました。
 あと参加者がそれぞれイチオシの本を持ち寄って交換できるブックトレードに出ていたラインナップがすごかった。私は準備にテンパるあまり用意できなかったのですが、持ってくればよかった……とめちゃくちゃ後悔しました。でもずっと読みたかった『ミノタウロスの皿』をゲットしたので嬉しい。
 ピザを食べつつ、今までお会いする機会がなかったかたがたともお話できたし、とにかく楽しすぎてあっというまでした! こうして遊んでもらったことにより俳句への恐怖心(?)がかなり薄れたと思います。庫内灯スタッフのみなさまはじめ、遊んでくださったみなさま、ありがとうございました!
 いつかは袋も回してみたい……!

 

 すっっっごく寒かったし、イベント翌日の月曜日は雪もちらついてましたが、覚悟していたよりは動きやすい天候でよかったです。錦市場をうろうろしたりレトロな喫茶室でケーキ食べたりした……フランソアも長楽館も最高だった……。
 ずっと行ってみたかった京都国立博物館も面白かったです。トラりんにメロメロになってしまって悔しい……
 とても楽しい三日間でした! 気が早いですが第二回もまた参加できたらいいな〜。

第1回文学フリマ京都 ブースNo.と販売物

 松がとれるどころかもう1月も20日を過ぎてしまい……毎年毎年きちんと新年のご挨拶もできずに申し訳ありません。こんな有様ですが、旧年中はお世話になりありがとうございました。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
 2017年はバリバリ書いてバリバリ売りに行くぞ! ということで、さっそくイベント参加です。しかも遠征です!
 

2017年1月22日(日) 11:00〜16:00
京都市勧業館 みやこめっせ 地下第一展示場
き-05「痛覚+Wilhelmina
イベントの詳細はこちらから

 

 当日の販売物は以下のとおりです。おしながきもあります。

 

 Whilhelmina 
 『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
 『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
 『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

 

痛覚
 『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

 

 また、共有結晶の本誌およびメンバーの発行物を委託します。昨年11月の文学フリマ東京の新刊はひととおりお預かりしているはずなので、気になってた! けど買い逃した! というかたはぜひお見逃しなく。

 

 『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
 『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円
 『YAMINABE Vol.1』 オフセット/A5/48頁 300円
 『fragments』 オフセット/新書版/88頁 800円
 『乱歩タイポ』 300円

 

 新刊はさすがに無理だったのですが、架空の書評と5000字程度の掌篇を合わせたペーパーをつくったので、配布します。
 2009年12月6日第9回文学フリマで、サークル「叶える子」さんが『架空書評集―今はまだ幻の名著たち―』という小冊子を作成、無料配布されました。この世に存在しない書籍の「書評」だけを集めた本というコンセプトで、たいへん好評であっというまになくなってしまったのをよく覚えています。
 この企画に私も参加させていただきまして、そのときでっちあげたのが『極彩色鳥類図譜』という本です。本人としてはライトノベルというかジュニアノベルというか、あのへんのジャンルのつもりでした。90年代の痛々しい空気感を伝えたかった……。著者名まで含めての「架空書籍」ですが、実は「竹田南里」は私が大学生のころ二次創作用にこっそり使っていたペンネームです(経歴はもちろん嘘ですよ! 笑)
 この架空書籍の妄想があまりに楽しかったので、いっそ書評のもとになった本文を書いてみよう、と思いたってワンシーンだけ書きだしたのが、今回ペーパーに併録した「蜜月」です。ほとんどプロットのまま長らく放置されていた下書きを加筆修正しました。ほんとうは固有名詞とか、設定を根本から変えたいなあと思った部分もあるのですが、書評部分に一切手を入れずそのまま載せた関係で直せませんでした。ので、多少の気恥ずかしさはもうそういうものだと思っていただければ……
 なお、穂崎さんも短歌のペーパーも用意してくださっているとのことです。さらに昨秋に引きつづき共有結晶の別冊企画・二次創作短歌特集のフライヤーも置きますので、無料配布だけでもかなりの充実ぶりです。配布物だけでも遠慮なくもらいに来てくださいね!

 

 京都、寒さとお天気だけがちょっと心配ですが、美術館も行くぞ! おいしいもの食べるぞ! という感じでめちゃくちゃ楽しみです。イベント来場予定のみなさまもどうかもろもろお気をつけてお越しくださいね。元気にお会いできますよう!