第1回文学フリマ京都 ありがとうございました

 文学フリマ京都、お疲れさまでした!
 第一回ということでしたが、かなりの盛況だったのではないかと……比較的入り口近くにブースを配置していただいたせいもあって、常になんとなく人が通っていた気がします。会場のみやこめっせは平安神宮のすぐそばで周辺には京都市美術館などもあり、アクセスしやすい良い場所だったせいもあるのかな? あと地下一階はとても暖かくて快適でした(笑)
 おかげさまで痛覚+Wilhelminaブースにもたくさんのかたが遊びに来てくださり、久々に『姫君の匣』をはじめ委託物や一部の本が持込み分完売となってしまって……ありがとうございました! せっかく訪ねてくださったのにお目当ての品をお渡しできなかったかたには本当に申し訳ありませんでした……搬入数をそこまで抑えたわけでもないのですが、読みが甘かった…

 

当日のブース

 

 規模が大きすぎも小さすぎもせず、買う側としても見てまわりやすかった気がします。
 この数年、イベントで「ミニコミは一期一会!」とばかりに買って積んで、を繰り返していたせいか(ほんとうにごめんなさい)、自分の手もとに何があるのかが把握しきれなくなってきたので、備忘のためにお買い物したご本をリストアップしておきます。

 

『Lightning Girl』(奈津子)
『エスペランサ』(藤村団子)
『さまよえるベガ・君は』(正井)
『しろい庭のむすめ 上』(孤伏澤つたゐ)
『タイドプール』(孤伏澤つたゐ)
『率 幕間』(率)
『その人の名は反逆と云ひます』(かかり真魚)
『きみは暴君』(かかり真魚)
『エフ氏』(スタニスワフ・レム/エディション・プヒプヒ)
『ギリシア倫理の一問題』(ジョン・アディントン・シモンズ/エディション・プヒプヒ)

(順不同・敬称略)

 

 幸先のよいスタートを切ることができてほんとうによかったです。次のイベント参加は5月、文学フリマ東京は申込み済で、コミティアのほうにも出たいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 なお『姫君の匣』については架空ストアさまで通販受付中ですので、よろしければご利用ください。『el』は私の手もとに在庫がありますので、ご連絡いただければ自家通販で対応させていただきます。
 また『ロータス』は新装版を準備中です。3月までには詳細をお知らせできるかと思います。

 

 撤収後は細見美術館に立ち寄って鈴木其一を眺め、カフェでお茶してから庫内灯さんの俳句と遊ぶイベントに参加しました。
 私は俳句カードゲームと、市井の句かプロ(?)俳人の句かを当てるクイズをやったのですが、どっちも面白かった!
 カードゲームは、俳句が書かれた手札を配られ、プレイヤーが順番に出すお題(「エロい俳句」「青春な俳句」など)に合うと思われる句のカードを手札からいっせいに場に出し、さらに自分以外が出したなかでいちばんイイネ! と思った句に投票、その票数でコマをすすめる……というルールのすごろくだったのですが、みんななかなか先に進めなかったりして盛り上がりました。すぐ振り出しに戻ってしまうすごろくだった(笑)
 俳句から作者がプロ・アマどっちかを見分けるのはもうぜんぜんわからなくて、当たらなかったんですが、見分けられないものだなあ……と思ったらなぜか気が楽になりました。
 あと参加者がそれぞれイチオシの本を持ち寄って交換できるブックトレードに出ていたラインナップがすごかった。私は準備にテンパるあまり用意できなかったのですが、持ってくればよかった……とめちゃくちゃ後悔しました。でもずっと読みたかった『ミノタウロスの皿』をゲットしたので嬉しい。
 ピザを食べつつ、今までお会いする機会がなかったかたがたともお話できたし、とにかく楽しすぎてあっというまでした! こうして遊んでもらったことにより俳句への恐怖心(?)がかなり薄れたと思います。庫内灯スタッフのみなさまはじめ、遊んでくださったみなさま、ありがとうございました!
 いつかは袋も回してみたい……!

 

 すっっっごく寒かったし、イベント翌日の月曜日は雪もちらついてましたが、覚悟していたよりは動きやすい天候でよかったです。錦市場をうろうろしたりレトロな喫茶室でケーキ食べたりした……フランソアも長楽館も最高だった……。
 ずっと行ってみたかった京都国立博物館も面白かったです。トラりんにメロメロになってしまって悔しい……
 とても楽しい三日間でした! 気が早いですが第二回もまた参加できたらいいな〜。

第1回文学フリマ京都 ブースNo.と販売物

 松がとれるどころかもう1月も20日を過ぎてしまい……毎年毎年きちんと新年のご挨拶もできずに申し訳ありません。こんな有様ですが、旧年中はお世話になりありがとうございました。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
 2017年はバリバリ書いてバリバリ売りに行くぞ! ということで、さっそくイベント参加です。しかも遠征です!
 

2017年1月22日(日) 11:00〜16:00
京都市勧業館 みやこめっせ 地下第一展示場
き-05「痛覚+Wilhelmina
イベントの詳細はこちらから

 

 当日の販売物は以下のとおりです。おしながきもあります。

 

 Whilhelmina 
 『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
 『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
 『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

 

痛覚
 『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

 

 また、共有結晶の本誌およびメンバーの発行物を委託します。昨年11月の文学フリマ東京の新刊はひととおりお預かりしているはずなので、気になってた! けど買い逃した! というかたはぜひお見逃しなく。

 

 『共有結晶 Vol.2』 オフセット/A5/164頁 800円
 『共有結晶 Vol.3』 オフセット/A5/180頁 800円
 『YAMINABE Vol.1』 オフセット/A5/48頁 300円
 『fragments』 オフセット/新書版/88頁 800円
 『乱歩タイポ』 300円

 

 新刊はさすがに無理だったのですが、架空の書評と5000字程度の掌篇を合わせたペーパーをつくったので、配布します。
 2009年12月6日第9回文学フリマで、サークル「叶える子」さんが『架空書評集―今はまだ幻の名著たち―』という小冊子を作成、無料配布されました。この世に存在しない書籍の「書評」だけを集めた本というコンセプトで、たいへん好評であっというまになくなってしまったのをよく覚えています。
 この企画に私も参加させていただきまして、そのときでっちあげたのが『極彩色鳥類図譜』という本です。本人としてはライトノベルというかジュニアノベルというか、あのへんのジャンルのつもりでした。90年代の痛々しい空気感を伝えたかった……。著者名まで含めての「架空書籍」ですが、実は「竹田南里」は私が大学生のころ二次創作用にこっそり使っていたペンネームです(経歴はもちろん嘘ですよ! 笑)
 この架空書籍の妄想があまりに楽しかったので、いっそ書評のもとになった本文を書いてみよう、と思いたってワンシーンだけ書きだしたのが、今回ペーパーに併録した「蜜月」です。ほとんどプロットのまま長らく放置されていた下書きを加筆修正しました。ほんとうは固有名詞とか、設定を根本から変えたいなあと思った部分もあるのですが、書評部分に一切手を入れずそのまま載せた関係で直せませんでした。ので、多少の気恥ずかしさはもうそういうものだと思っていただければ……
 なお、穂崎さんも短歌のペーパーも用意してくださっているとのことです。さらに昨秋に引きつづき共有結晶の別冊企画・二次創作短歌特集のフライヤーも置きますので、無料配布だけでもかなりの充実ぶりです。配布物だけでも遠慮なくもらいに来てくださいね!

 

 京都、寒さとお天気だけがちょっと心配ですが、美術館も行くぞ! おいしいもの食べるぞ! という感じでめちゃくちゃ楽しみです。イベント来場予定のみなさまもどうかもろもろお気をつけてお越しくださいね。元気にお会いできますよう!

ゆく年くる年 16'-17'

 なんだか一瞬で大晦日になってしまったような2016年でした。あきらかに2015年(のとくに上半期)のほうが忙しかったはずなんだけど、体感は今年のほうが過ぎるのがはやかった……そんなに何かをしていた覚えもないんだけれども……。

 

 で、今年書いたものを振り返ってみました。

 

「飛ぶ夢をみたことがない」

 冬青さま発行 ZABADAK楽曲創作コンピレーションBOOK『THERE'S A VISION』収録

 

「ただしいおひめさま」

 Wilhelmina『姫君の匣』収録

 

「あおのはなし」

 平田有さま責任編集『YAMINABE Vol.1』収録

 

 トータルでも30000字も書いていない……なんということだ……。

 来年はもっとガンガンいきたいと思います!

 

 そして恒例の一年間の総括です。

 この年越し記事の設問はもともとアンケート企画でして、質問バトン的に回したりしてみなさまからの回答を募っていたものです。よろしければぜひ、みなさまもそれぞれにご自分の一年間を振り返ってみてください。

 よいお年をお迎えください!

 

・2016年のこの一冊! という本を教えて下さい。(2016年発行でなくとも構いません。コミック可)

 

(タイトル・著者名)

『赤白つるばみ』楠本まき

 

(コメント)

 いよいよ本が読めなくて、そもそも読み終えた本が一冊あるかどうか……というレベルの年だったんですが、かろうじてお正月休みにこれを読んだことを思い出し……。やっぱり楠本まきさんの漫画が好きだなあとあらためて思って嬉しくなった本です。

 キャラクターがみんなかわいくて『KISSxxxx』みたいに楽しめるのと同時に、好きな服を着て自由に人生を謳歌しているように見えるカッコいい老女のキノさんの、女友達との贅沢なバカンスの場面に「世界は悲惨で陰惨よ」「こうしている間も殺戮や搾取や弾圧が世界のあちこちで行われているじゃない」「そして私たちは見ないことで荷担している」っていう会話が入ってくるのがほんとうに印象的でした。

 

 

・2016年のこの一曲! という曲を教えて下さい。(2016年リリースでなくとも構いません)

 

(タイトル・アーティスト)

「Life is beautiful」Tourbillon

 

(コメント)

 2016年リリースだけでもBUCK-TICKの「New World」とかLUNA SEAの「I'll Stay with you」とかminus(-)の「Descent into madness」とか挙げたいのたくさんあるんですが、やはりTourbillonの新譜がいちばん感慨深かったので……2016年にまたTourbillonの新曲が聴けるなんてほんとうに夢のようです。Zeppツアーも楽しかったなあ!

「どんなことがあっても Life is beautiful」という詞もこんな時代だからこそ刺さった……

 

 旧譜では、Tourbillonの「your place」をよく聴いてました。あとBUCK-TICKがツアーで演ってくれた「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」は最高に今年の空気だと思った。

 ライヴで演ってくれなかったけど(笑)LUNA SEAの「CIVILIZE」も今の気分です。

 

 

・2016年一番注目していた人を教えて下さい。

 

(名前)

 妃海風

 INORAN

 

(コメント)

 宝塚歌劇を観るようになっていちばん意外だったのは、娘役さんをめちゃくちゃ好きになってしまったことです。どの組のトップ娘役さんもそれぞれにかわいいのですが、先日、星組を北翔海莉さんと同時退団された妃海さんはとりわけ目が離せなかった。北翔さんを心から慕っている感じが少女漫画のヒロインみたいで、妃海さんのおかげで眠っていた感覚がいろいろ蘇った気すらしています。

 INORANはもう20年以上ふつうに落ち着いて好きだったのに、今年突然すごく気が狂ってしまったので……10月にサイン会で「こんにちは」って言われてからはうわごとのようにINORANのことばかり口走っていた気がする……

 

 

・2016年の重大ニュースを3つ選んでください。

 

 1. イギリスのEU離脱

 2. アメリカ次期大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利

 3. 熊本地震

 いいニュースもひとつぐらい挙げたかったけど思いつきませんでした。

 

 

・2016年の流行語を勝手に選んでみてください。

 

「音楽に政治を持ち込むな」

 

 

・2016を漢字一文字で表してみてください。

 

「去」

 いなくなってしまった人がたくさんいたので。

 

 

・あなたが2016年一番嬉しかったこと/楽しかったことは何ですか?

 

 TourbillonのZeppツアー4公演を全通できたことはほんとうに楽しかったです。あいまにBUCK-TICKのツアーとVisual Japan Summitがあったりして案の定過密スケジュールに負けた10月でしたが、幸せな一ヶ月でした。

 10・11・12の3ヶ月はライヴが楽しかった記憶しかない……

 

 

・あなたが2016年一番悲しかったこと/辛かったことは何ですか?

 

 訃報が多くてつらい、というのは毎年思うことですが、今年はほんとうにしんどい訃報が多かったです。

 デヴィッド・ボウイに始まって、ZABADAKの吉良知彦さん、演出家の蜷川幸雄さん、雨宮まみさん、ほかにもたくさんショックを受けたような気がします。なかでもやはり森岡賢さんが急逝されたのはものすごくつらかったです。

 人はみないつか死ぬとわかっていても、できればみんな健康で長生きしてください……と思わずにはいられません。

 

 

・あなたが2016年ハマったもの(こと)を教えてください。

 

 なんだろう……あんまり思いつかない。意図的に、前々から親しんでいるバンド関連以外には心をもっていかれないようにしていたのかも知れない。

 あ、お芝居をかなり観ました。宝塚の影響もまああるけど、ストレート・プレイもよく観に行ったと思います。

 

 

・あなたにとって2016年はどんな年でしたか?

 

 世の中のこと、政治や社会のことはどんどんどんどん悪いほうにすすむように見えて怖かった。

 ただ、個人レベルではここ数年に比べたら何事もなく、淡々と過ぎたなあという感じです。おかげでボロボロになっていた何かがかなり回復してきた気がします。とにかくめちゃくちゃ過ぎるのがはやい一年でした。そんなに忙しかった覚えもないのに、一瞬で終わってしまった。

 

 

 ・2016年にやり残してしまったなあということはありますか?

 

 ありません。最近はもう、来年できることは来年やればいい、くらいの気持ちで生きている。

 

 

・2017年の目標を教えてください。

 

 幸せに暮らす。

 2016年の目標「生き延びる。できれば引き裂かれた状態から脱して、どんなコンテンツにも依存せずに」はわりと達成だったと思うので、2017年も引き続き頑張ります。

 それと、一人になることを怖がらない。

 

 

・2017年のヒットアイテムを予想してください!(グッズ、流行語、タレント、ファッション等)

 

 AR・VRは本格的に始まると思います。

 フィクションと現実の境目が見えにくくなるというか、物語を作中の「モブ」視点で楽しめるような構造のコンテンツも増えると思う。

第23回文学フリマ東京ありがとうございました&『姫君の匣』通販開始のお知らせ

 とっくに月もかわって師走に突入していますが、文学フリマも無事終わってホッとしています。お疲れさまでした!

 一年ぶりのサークル参加で実は少し緊張していたんですが、必死で買い物に走ったりあちこちでお話したりしていたらあっという間に閉会でした。楽しかったです、ありがとうございました!
 2階の評論と詩歌エリアの熱気がすごかったな……1階はわりとゆったりまったりだった気がします。

 

 今年は8月のコミティアと11月の文学フリマ東京の2回のみのイベント参加で、ずいぶんのんびりさせていただきました。おかげさまでだいぶ充電されたので来年は少し頑張って行商しようかな、という気持ちです。ミーナの新作もたくさんの方にお届けしたいし!

 まずは年明け、1月22日の文学フリマ京都に参加いたします。ブースをいただけることは確定しているので、番号など詳細が出たらまたお知らせします。いつものラインナップに加えて共有結晶関連のご本の委託もあって、けっこう盛りだくさんなブースになるのではないかと思います。第一回の文学フリマ大阪以来、三年ぶりの関西で今からわくわくしています!

 5月も頑張って春の文学フリマ東京とコミティア両方出たい……と思っては……いる……

 

 またお姫さまアンソロジー『姫君の匣』の通販ですが、架空ストアさんでの受付が始まっています。

 同じく取扱っていただいている天使本『el』と2冊あわせてご注文いただくと送料が無料になるようです! そちらもあわせてこの機会にぜひ……お正月休みにのんびりお読みいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

 

 ここ数年つくりたいな〜とつぶやき続けている柳川の個人誌を、来年こそはつくるつもりでおります……小心者なのでタイミングとかあまり言えないんですが……。いま、小説を書きたいという気持ちが強いので、テンションを落とさず楽しくいけたらいいな……来年は今年よりはたくさん書きたい……

第23回文学フリマ東京 ブースNo.と販売物

 BUCK-TICKの全国ツアー、Visual Japan Summit、そしてTourbillonのZepp東名阪ツアー4公演皆勤参加とライヴにうつつを抜かして一瞬で過ぎた10月と11月でした……気がつけば明日が文学フリマ東京……!

 

2016年11月23日(水祝) 11:00〜17:00
東京流通センター 第二展示場
(東京モノレール 流通センター駅 徒歩1分)
C-33「痛覚+Wilhelmina
イベントの詳細はこちらから

 

 当日の販売物は以下のとおりです。

 

Whilhelmina 
『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

 

痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

 

 8月に発行したお姫さまアンソロジー『姫君の匣』、文学フリマ初売りです!
 先日、母が北翔海莉さんを大好きなもので、宝塚歌劇団星組のトップコンビ退団公演千秋楽のライヴビューイングに行ってきたのですが、もう娘役の妃海風さんがかわいすぎて頭が痛くなるまで泣いてしまい……サヨナラショーで、シンデレラのドレスを着てガラスの靴をはかせてもらう妃海さんを見て、ほんとうに彼女は私の夢のお姫さまだったなあ、とあらためて思いました……。
 アイドルにしろ俳優にしろミュージシャンにしろ、夢中になるのはいつも男性で、女性に思い入れたことはなかったので、宝塚を見始めて男役さん以上に娘役さんに惹かれた自分に自分でも驚いたのですが、とくに妃海さんはほんとうに好きで、妃海さんが好きすぎて書いてしまったのがお姫さまアンソロジーに提出した「ただしいおひめさま」です。
 穂崎円さんの「末の姫君」の姫は高い塔に閉じ込められていても自分を貫きます。唐橋史さんの「まこと申さぬ少納言」の姫は嘘とまことのあいだで巧みに生き延びます。犬塚暁さんの「世耕本解」の姫は美貌と腕力を兼ね備えて勇敢に戦います。強く、個性的な姫君たちのなかで、私はひときわ地味な姫のお話を書いてしまったのですが、妃海さんを好きだったことをお話に書いておけたのは、よかった、などと自己満足ながら思っています。

 

 天使アンソロジー『el』は[冬青]さまにあちこちで委託していただき、おかげさまでだいぶ少なくなってきました。

 ビートルズトリビュート本『I Say Hello』も在庫僅少です。ミーナの最初の一冊として、ご挨拶がわりに読んで頂ければ、という気持ちでつくった小さな本です、気になるかたは早めの入手をおすすめいたします。
 おしながきもあげてあります、あわせてご覧いただければと思います。

 

 そのほか、以下のご本にお邪魔して書かせていただいてます。

 

『花と蜜と女装男子』鳥久保咲人と1103号室。 B-30 
『THERE'S A VISION』冬青 C-17 
『庫内灯』『兼ネル』庫内灯 ウ-70 
『共有結晶 Vol.2』『共有結晶 Vol.3』『YAMINABE Vol.1』BL短歌合同誌実行委員会 ウ-68

 

 平田有さん責任編集の『YAMINABE Vol.1』には、ネムカケスさんの短歌連作「blue.」より一首をお借りして「あおのはなし」という掌篇を書かせていただきました。いったいどんな闇鍋なのかとても楽しみです……!
 BL短歌合同誌実行委員会では穂崎さんの二次創作短歌集『fragments』の頒布もあるとのことです。表紙はなんと活版印刷とのことで、こちらもたいへん気になります。

 

 いつも直前にドタバタのお見苦しい告知で申し訳ありません……ともあれ、会場でお目にかかれることを楽しみにしております。よろしくお願いいたします!

コミティア117ありがとうございました&第4回文学フリマ大阪委託のお知らせ

 先月のコミティアで無事Wilhelminaの新作『姫君の匣』を発行・頒布することができました。スペースにお越しくださったかた、お手にとってくださったかた、ほんとうにありがとうございました!
 今後の頒布は秋の文学フリマ東京、また通販も予定しておりますので、引きつづきチェックしていただけると幸いです。

 

 Wilhelminaのアンソロジーはありがたいことにわりとよくお褒めいただいています。犬塚さん、穂崎さんに加えて素敵なゲスト様もお招きして、毎回尊敬する書き手のかたとつくっているので、編集責任者的なことをやらせてもらっている私から見てもいつも最高だなと心から思うのですが、同時に書き手のひとりとしては結構なプレッシャーで「つらい……書けない……むり……次からは編集に専念する……」と『el』のときも思い、今回の『姫君の匣』でも思いました。
 2016年は活動ペースを落とし、イベント参加も上半期はお休みして『姫君の匣』に専念できたのでわりと余裕があったのですが、思えばミーナの本をつくっているときって毎回ハードな状況だったな……としみじみ振り返ってしまいました。自業自得だけど安定した住環境でつくった本がない……もう一回やれって言われてもたぶんできない……。
 でも自分ひとりだったらきっと一文字も書いていなかったようなときに、たいした枚数でなくともなんとかかんとか書いていた、ということは大きい。ミーナの本もそうだし、お手伝いさせてもらったりおじゃましたりした幾つかのアンソロジーもですが、これに参加したんですよ! と胸を張れる本に関わっていられたことが、ずいぶん支えになっているなあとしみじみ思います。自分が書いたもののクオリティはさておき(遠い目)

 

 おじゃました素晴らしいご本といえば5月に発行された『THERE'S A VISION』ですが、そのすぐあとでの吉良さんの訃報にはほんとうにショックを受けました。先日「かたみわけ」が行われたサンシャイン劇場のロビーで献音してきましたが、それでもまだ実感はあまりないというのが正直なところです……。
 自分でCDを買って自発的に音楽を聴きはじめたほんとうに初期のころ、中学生のころに出会って繰り返し聴いたのがZABADAKでした。ZABADAKをイメージソースにして何か書いてみたいという思いはずっとあり、それをやはりいつかは扱いたかった「飛ぶ夢」の主題で果たすことができて、それもあんなに豪華なコンピレーション本で……すべてが奇跡のようなタイミングだったとしか思えない。今はもう、どうしたって今年の春と同じ気持ちでは書けないので、ほんとうに参加させていただけてよかったという思いを繰り返し噛み締めています。

 

 前置きが長くなりすぎてしまいましたが、文学フリマ大阪で[冬青]さまに『el』と『ロータス』を委託していただきます。(北海道コミティア、夏コミでもお預かりいただいていたのですがこちらできちんとした告知ができず申し訳ありませんでした……ありがとうございます……)

 

9月18日(日) A-03「冬青」

 

 お品書きはこちらです!
 冬青さまブースでは『THERE'S A VISION』もぜひお手にとっていただきたいですし、あずみさんの新刊『消滅可能性私達』も楽しみです。表題作の「消滅可能性私達」は昨年発行した短歌中心百合アンソロジー『きみとダンスを』にご寄稿いただいた掌編の再録とのことですが、もうほんとうに素晴らしいお話なので『きみとダンスを』は気になっていたけど買い逃してしまった……という方はこの機会に絶対に! お読みいただきたい!

 

 そのほか、以下のご本におじゃまして書かせていただいています。

 

『庫内灯』庫内灯 E-37
『兼ネル』チェンジリング E-39
『花と蜜と女装男子』1103号室。 B-14

 

 ほかにも何だか気になるご本の情報がたくさんツイッターに流れてきて羨ましい……私もお買い物しに行きたい……
 当日、現地に行かれるみなさまどうか楽しんでいらしてください!

コミティア117 ブースNo.と販売物

 八月も残り少なくなってきましたが、今年に入って初めてのイベント参加&新刊のお知らせです。

2016年8月21日(日) 11:00〜16:00
東京ビッグサイト 東5・6ホール
東5 M18a「痛覚+Wilhelmina」

イベントの詳細はこちらから

 Wilhelminaの新作アンソロジー『姫君の匣』を持っていきます!
 今回のテーマは「お姫さま」です。

 

姫君の匣

 

 執筆メンバーと収録作品のタイトルは以下のとおりです。

 

 穂崎円「末の姫君」
 柳川麻衣「ただしいおひめさま」
 唐橋史(史文庫)「まこと申さぬ少納言」
 犬塚暁「世耕本解」

 

(収録順・敬称略)

 

 本文のサンプルはこちらから。
 なんと唐橋史様をゲストにお迎えしての以上四作品、ボリュームたっぷりの188頁です。
 以前にもミーナのアンソロジーをお読みいただいたことがある方はなんとなく予想しておられると思いますが、今回もなんというか……個性豊かなお姫さまたちが揃いました。不自由な身の上だったり、憧れの対象だったり、恋文にでたらめを綴らせたり、男勝りで力持ちだったり、さまざまに活躍する「お姫さま」たちを楽しんでいただければと思います。物語の背景も、南欧のイスラム王朝・平安時代の京・朝鮮の神仙たちの世界、というラインナップはかなり新鮮なのでは。
 なお私は安定のというべきか、現代(2016年)の東京が舞台です。『el』では天使(物理)にこだわって浮いてしまった……という反省をまったくいかすことなく、お姫さま(概念)みたいな話……です……正直ものすごく浮いてます……

Whilhelmina 
『姫君の匣』 オフセット/文庫版/188頁 900円
(既刊)
『el』 オフセット/文庫版/140頁 600円
『I Say Hello』 オンデマンド/文庫版/80頁 300円

痛覚
『ロータス』 オンデマンド/文庫版/420頁 900円

 既刊の天使アンソロジー『el』とビートルズトリビュート本の『I Say Hello』もご好評いただいているのでぜひこの機会に〜。
 おかげさまで『I Say Hello』は在庫が少なくなってきました。
 おしながきもあげてありますのであわせてご覧ください!

 

 久しぶりのイベントでやや緊張しているうえに、台風が三つも四つも来ていて天候が不安定なのが心配ですが、お気をつけてお越しいただけると幸いです……。よろしくお願いいたします!

森岡賢さんのこと

  自分の好きなものを「好きだ!!」と叫びたい欲はありあまっているものの、分かち合いたいという共有欲はあまりなくて、だからひとりで「マイナスはいいぞ」して満足だったんですが、森岡賢さんの訃報をきいて、やはり彼の素晴らしい楽曲をみんなにも聴いてもらいたい……という気持ちを抑えられなくなったので、プレゼンします。
 私の文章は読まなくていいからとにかく聴いてくれ。

 SOFT BALLETのアルバムはどれも名盤ですが『EARTH BORN』から年代順に聴いていくのが入りやすい気がします。個人的には『ドキュメント』『愛と平和』あたりがいちばん好き。





 期間限定で再結成したときの『SYMBIONT』と『MENOPAUSE』もめっちゃ聴きやすいのでそこから入るのもよいかも。



 あとminus(-)はめちゃくちゃカッコいい、2016年現在進行形のプロジェクトではいちばんに推したいカッコよさなので、切実に!! 聴いて欲しいです!!
 ミニアルバム2枚ともおすすめですが私はとくに「G」を気が狂ったようにヘビーローテーションしています。「Peepshow」にはゲストヴォーカルでJが参加してて、それもすごく良いですよ!



 以下は私の、真夜中のラブレター的なテンションの自分語りです。

 森岡賢さんをはじめて見たのは2002年のSUMMER SONICでした。SOFT BALLET再結成のとき。
 BUCK-TICKやLUNA SEA周辺を聴いていたのでもちろんSOFT BALLETも名前は知っていたけれど、気がついたときには解散していた(「PHOENIX」を演奏した回のポップジャムは奇跡的にリアルタイム視聴していた覚えがあるんだけど、当時の私は小娘すぎて自分が見ているものの凄さを理解できなかった……)。
なんとなく「ソフバは小難しそう」という思い込みでふれずに来てしまって、予備知識も予習もほとんどゼロの状態でいきなり幕張メッセにライヴを見に行きました(しかも確かこのとき私、遅刻したんだよ、同行者氏にはほんと申し訳なかった)。結果みごとにノックアウトされ、とくに森賢さんのパフォーマンスには釘付けになって、帰りの京葉線の話題はえんえん森賢さんのクネクネだった(笑)
 そこから後追いで音源を聴いて「なんで今までこれを知らずに生きてきたんだ……!!」と激しく後悔しつつ、新曲の「メルヘンダイバー」のPVに大興奮して毎日リピート、ライヴも行けるだけ行きました。大学5年生で卒業論文やらなきゃいけなくて就職先もなくてお先真っ暗なころだったけど、SOFT BALLETのライヴはほんとに楽しかったなあ。あんなに無我夢中で踊りまくって楽しかったライヴはほかにない、とこれは今でも思います。「BODY TO BODY」で森賢さんが鞭を手におどりでてきたオープニングほんと忘れられない。

 ソロは一度だけ、二子玉川のPink Noiseに行ったのが忘れがたいです。オールナイトイベントで、明け方ごろに森賢さんがフロアをうろうろ歩いてて、近っ! ってビックリしたんだよな。
 あとジェッジジョンソンとの対バンも見に行きました。小さいハコで、森賢さんド迫力で圧倒されました。書きかけで放ったらかしてあった当時のメモを発掘したので、ここに貼り付けておきます。

 06.05.03 下北沢のCLUB Queでザ・ジェッジジョンソンVS森岡賢のライヴでした。森賢さんを生で見るのはPink Noiseのオールナイトイベント以来、2年ぶりぐらいだったのですが……前に見たときよりもずっと元気そうで良かったです(笑)というか凄かった! だいたい衣装からして破廉恥だったし……半袖短パンの黒いぴたっとした服に全身アミアミ、で帽子。くねくねダンスも復活していました。もうほんと派手で、オーラも出ていて圧倒されましたよ!
 バンドも、ゲストヴォーカルのおねえさんまで連れてきていてゴージャスでした。

 そんなのももう10年くらい前の話か……SOFT BALLETの三人では遠藤遼一さんにいちばん必死で、ENDSのライヴに最後に行ったのが2009年ぐらいだったのかな、とにかくしばらくその界隈とはちょっと縁遠かった。ピコピコした音楽はむしろよく聴いてたんだけど、accessとか、あるいはFLOPPYとかそっちの方面にいってた。
 いろいろあってそのへんからも少し距離を置いて、久しぶりに森賢さんを生で見たのがちょうど一年くらい前、2015年6月28日のLUNATIC FEST.です。一日目はエクスタシー・サミット、二日目はLSBを思い出す豪華なラインナップでしたが、私は二日目だけの参戦でした。続けて見たminus(-)とKA.F.KAは最高にカッコよかった、森賢さんはスケスケでクネクネではなくなっていて、アリスアウアアっぽい(未確認)フリルのブラウスがすごく似合ってました。ちょっと見ないうちにめちゃめちゃお美しくなられて……!! ってびっくりした。相変わらず予習してなくて一曲も知らなかったけど、そんなことまったく関係なく楽しかったです。
 それがきっかけで今年の2月のminus(-)のリキッドルームに行きました。もうほんとに楽しくて、その日告知された8月13日の赤坂ブリッツも迷わず取りました。

 だからちょっと前に森賢さんのめっちゃカッコいいところを見たばっかり、という感覚だし、かつちょっと先のライヴでまたすぐ見られることを疑ってなかった。
 すっごく楽しみにしてました。
 好きな作家や好きなミュージシャンがいなくなって、通ったお店もなくなって、私が好きだったカルチャーや世界はどんどん縮小していくように思える。そんなことは時間が流れている以上あたりまえなのだから、新しい文化や価値観にふれてアップデートしなければ、と頭ではわかっていてもうまくできない。日に日に息苦しくなるようななかで、十代のころに好きだったものとは違う新しいもので「最高にカッコいい、最高に好き!!」と心底思わせてくれる、「いいぞ」って言いまくれる数少ない存在のひとつがminus(-)でした。
 森岡賢さんは、昔よく聴いた伝説的なユニットのキーボーディストという以上に、2016年現在とても好きで、これからを追うのが楽しみだったミュージシャンのひとりでした。

 こうして書いていても今はまだぜんぜん実感がなくて、よくわからないけど冗談なんじゃないの? という気持ちと、突然泣きたくなるくらいの寂しさが交互に襲ってきます。

 ご冥福をお祈りいたします。

『THERE'S A VISION』のことと近況のお知らせなど

 今日から黄金週間! ですが、私はひと足先にガッツリ休みをとって一週間ほど英国を旅行してました。
 十年ぶり二度めの英国でしたが、海外を一人旅するのは初めてで準備段階から周囲に心配をかけまくりつつ、なんとか無事に行って帰って来ました。カーディフに留学中の友人を訪ねて、彼女にガイドしてもらってお城をまわったり、聖ジョージの日のお祭りにソールズベリーで遭遇したり、キュー・ガーデンズを一日さまよったり、楽しかったです。
 毎度のことながら外国に行くと自分の語学力のなさがもどかしく歯がゆくなるよな……英語力…

 この時期に遊び暮らしているのは、この春は5月の文学フリマをはじめ創作文芸系のイベント参加をお休みしているからです。休む休むと言いつづけてようやくの半年のお休みなんですが、いざ休むとちょっと寂しい……
 とはいえ、ありがたいことにたいへん素敵な企画に参加させていただいたので、お知らせです。

 あずみさん主催のZABADAK楽曲創作コンピレーションBOOK『THERE'S A VISION』に小説を書かせていただきました!
 詳細はこちらから

 曲連想創作コンピレーションBOOKのご紹介
【5/4SCC】ZABADAK曲連想創作アンソロジー サンプル  [pixiv]

 小説・短歌・イラスト・漫画とバラエティに富んだ内容で、収録曲も参加メンバーもすごく豪華です。好きな曲と好きなかき手さまばっかりで震える……! 表紙も美しい……
 私は「飛行夢」をモチーフにして書きました。
 

 

 大好きな歌で、どうしても書きたかったのでおそれおおくも挙手してしまったのですが、難しかった……ちょっと自己完結っぽくなってしまったかもしれない……。一応、学園ものです。
 ひとりで浮いている予感しかしないですが、一読者としては今からめちゃめちゃ楽しみです。はやく現物を手にとりたい!
 5月4日のSUPER COMIC CITY25にて、西1ホール・E29b「冬青」さまと東2ホール・ぺ38「星ノ樹」さま(委託)で頒布されるとのことです。

 また、5月1日の文学フリマで頒布される本ではBL俳句誌『庫内灯』(ス-15)、性別越境アンソロジー『兼ネル』(セ-17)にも書かせていただいてます。『庫内灯』に載せていただいてる掌編は文学フリマガイドブックにもご紹介いただいてるのかな?
 どちらもほんとうにいいご本なので、まだお持ちでない方はこの機会にぜひ!

 夏以降はWilhelminaも動き出す予定です。
 去年発行の天使本『el』は架空ストアさまで引きつづき絶賛通販中なので、こちらもあわせてよろしくお願いいたします!

私をゆるす

 三十歳になるくらいのころから、学生時代からの友人と疎遠になったり絶交状態になったりすることが相次いだ。
きわめつけに東日本大震災から二年ぐらいのあいだに、もっとも精神的に距離が近いと思っていた友人との関係がだめになり、笑ってしまうほど短期間とはいえ同居した相手とも別れた。今となっては記憶も曖昧なのだが、心が穏やかでいられるときがほとんどないような二年間だった。
 それから更に数年経って今に至るのだけれど、最近になって「あのころのことは、全部どうしようもなかったことだったんだ」と思えるようになってきた。それまでは「私は何も悪くない、百パーセント正しかった」ということを証明したくて躍起になったり、反対に「何もかも私が悪いんだ、私のせいなんだ」と思い込んでしまおうとしたり、そういうふうにしか思考が働かなかった。誰のせいでもない、どちらが悪いとか、どっちが加害者でどっちが被害者だとかそういう話ではない、と頭ではわかっていても、それをのみこむことは苦しくてできなかった。
 
 元同居人に対してはとてもひどいやり方で幼さをぶつけてしまって、申し訳なかったな、とこのごろ素直に思う。
 元同居人、というより「彼といっしょにいたときの私」に激しい嫌悪感があり、いつかはその「私」のことも許せるようになる、だなんて想像するだけでもゾッとして、このさきも和解なんかしない、したくない、とずっと思っていたのだけれど、このごろはそういう頑なさを維持することにも疲れてきたというか、なんだか、もうどうでもいいや、みたいな気分になってきた。
 もしかしたらこれが「許す」ということ(への第一歩的な何か)なんだろうか、と思ったりする。
 そうならば、何かを許すということは、その「許した何か」とまた以前のようにいっしょにいられるようになる、ということとはまったく違うことなのだな、と今更ながらに思った。「私」を許したとき「私」は手を離れて、そのことを悲しいとすら思わないだろう。

 ようやく、こういうことも少しずつ書けるようになってきたけれど、二十年ちかく付き合った友人のことはやはり何も書く気になれない。死ぬまで書きたくない、とも今は思う。

 赦せよと請うことなかれ赦すとはひまわりの花の枯れるさびしさ(松実啓子)